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人間のやめ時に吹く青嵐


近所の男性Aとしてその報を聞く「事件を起こす人じゃなかった」


原爆忌黙祷用の顔を貸す


迷宮の部材としての夏の木々


屋根裏に売れない画家と五月闇


夏雲のような人だと言っておく


夏雲や人はゴミかもしれないが


(若者には若き死神花柘榴─中村草田男)

若者の遺影は若し花柘榴


呑み込んだ人の手足が木下闇


現実は珈琲で割る桜桃忌


盛大な破局のごとき花火見る


口あけて見届けませう花火の死


少女期は海市の中で伸び上がり


死児の目に咲いて今夜は薔薇でいる


羊蹄ぎしぎしの傾く鬱や雨の午後

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