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北海の雲と帰りし五月尽


テレビの死体しばしば桜色のマネキン


散りつくすさくら女は汚れたし


図書館の断面の本こぼれけり


五月尽軍事境界線微風


木下闇傷は端っこより癒えぬ


沈みゆく国を横切る雲は夏


青天は鼻毛をかざすために有る


祖父没後二十年古本の皺


櫛に髪またわだかまり五月病


死を強ひる國は滅びよ磁気嵐


軍神の陰膳に蠅来ては墜ち

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