第77話 日本で一番いけ好かない街
新たに働き始めた職場なんだが、場所が気に入らない。
港区六本木にあるからだ。
最寄り駅が千代田線の乃木坂駅だったので油断していた。
住所はもろ六本木だし、ちょっと歩けば六本木だ。
六本木は20年以上昔からいけ好かない。
なんというか、行くとバカにされたような気がする。
六本木ヒルズが建って以来タワマンがニョキニョキ建っているから余計見下されている気分になるのだ。
そんな場所で一日の大半を過ごす身になった私の行く末が思いやられる。
おまけに一緒に働いている人たちはくせが強い人たち。
近所には広域暴力団の稲川会総本部もある。
どうりで普段から黒塗りの車が何台も路駐しているわけである。
飯屋も高い。
別にお前に来てもらわなくても構わないとばかりの値段だからいつもお昼はずっと日高屋。
金持ちの街で味わうデフレと貧困の味である。
貧乏人になだけでなく、カーストの底辺になった気分で毎日呼吸が苦しい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます