第7話 そこがよくない日本人
4月 金曜
「おーし、じゃあ今日はこれについて話せ」
この学校には月に1回か2回話し合いの授業がある。理由は自分の意見を持つことやしっかりとした根拠を持って話ができるようになる人を育てるのが理由だそうだ。この日の話し合いはとてもじゃないが話し合いではなく、ただの暴言大会と化した。決着はつかず終わった。
帰り
「守よ。今日はひどかった…あれはただのケンカだ」
「間違いない。俺たちいつもあんな感じなのかな…」
僕たちは今回、司会を務めた。外から見るとあんな感じなのかと思い反省をしながら校門を出た。
「マモルさんタチ、マッテクダサイ!」
後ろからライトが話しかけてきた。ライトは最近引っ越してきた黒人のアメリカ人でひょうきんでみんなに慕われている。でもたまに英語が出ちゃう。
「Todayはヨクナカッタ、ニホンジン、ハナシアイ下手です。WHY?」
「なぜって聞かれてもな」
守が答えた。
「QuestionにQuestionでカエサナイデクダサイ!」
「まぁ落ち着けってライト」
と僕がイラつくライトなだめるとその後に僕が答えた。
「日本はね、話し合うっていうことをしてこなかったんだよね。昔から村とか小さなコミュニティーっていうか地域でしか生きてこなかったから周りに敵かどうかわかんない人なんか居なかったんだよね。でも海外、んーアメリカとかはさ自分があなたの敵ではないって証明しなくちゃならなかったんだよ。だから話し合うってなると自分の意見を通したくなるんだろうね」
ライトは納得はしてなさそうだが、まぁ理解はしてくれたようだった。
今日は3人で帰った。
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