第6話 どっちなん?

4月 水曜 帰り

「なぁ、この前なtototer(トトッター)見てたん」

僕が守に話しかけた。

「お前、あれだろ、どうせエロい絵でも見てたんだろ」

僕はとても驚いた。こいつ、なぜだ。なんで分かったんだ。僕がそんな顔をしていると守はこう続けた。

「分かるさ。何年お前と一緒にいると思ってるのさ。お前、そういうの大好きだろ」

確かに僕はエロいの大好きだから否定はできない。

「そ、そうなんだけどさ。まぁ聞いてな。僕さカギアカにしてるんだけどさ、気に入った絵があってその作者さんをフォローしようとしてその人のプロフィール見たら鍵ついてる人はブロックしますとか書いてあって、自分の絵を世に広げたいのか広げたくないのか分かんないわって思ったんだよね」

守はこう言ってきた。

「鍵つけてない人なんかたくさんいるじゃん。あと、鍵付きだと閉じられたコミュニティーでしか広がらないから鍵の人は嫌なんじゃね。自分の知らない所で自分の絵が使われてるのが嫌とかなんじゃあないの。てか作者さんの名前なに?俺も見たい」

なるほど、そうなのか。そういう人もいんのか。僕は感心しながら作者さんのアカウントを見せた。

「フ、フォローするわ。じゃあな」

2人は自分の家に帰った。

「おいおいおいおいおいおい、あいつの言ってた作者さんって俺の姉ちゃんじゃん。マジか、世間狭すぎだろ」

その日は姉ちゃんの書いてるエロ漫画を守は使った。


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