第4話 新しいの作っちゃおう

4月 月曜 午後

「行きたくなーい!」

放課後、この学校は普通科、スポーツ科、料理科があってスポーツ科(略してスポ科)は絶対に部活に入らないといけないけど、普通科と料理科はどっちでもいいというようになっている。この日叫んでいたのは女子バスケ部の佐藤さんだ。

「大丈夫?佐藤さん?」

日直の仕事で職員室に行ってる守を待っている僕が聞くと

「大丈夫なわけないわッ!」

ものすごい顔と大きな声で僕にキレてきた。僕は思わずビクッと驚いた。佐藤さんは続けて

「あたしだってねこんなキツイ部活だってわかってたら入らなかったわ!なんで最初からあんなに走らなくちゃいけないのさ。ただ走るのはバスケと関係ないでしょ、陸上部かって!でも、でもねバスケはやりたいの!あたしはこの悩みがぶつかり合っててイライラするのよ!」

佐藤さんが言い終わると同時に守が帰ってきた。どうやら佐藤さんの声は廊下中に響いていたらしく守も何となく事情を知っていた。

守が佐藤さんに提案をした。

「部活したくないなら自分で作っちゃえばいいじゃん。俺ら普通科はさ自分たちで部活・同好会を作っていいって言われてるしさ俺らもさ部活まではいかなくてもバスケしたいと思ってたんだよね」

その提案を受けさっきまでブチぎれてた佐藤さんが少し落ち着いた。

「確かにその手があったわ。ありがとう守。とりま今日は部活行くわ。じゃあねー」

まるで真夏の夕立のように去っていった佐藤さん。とりあえず今週は頑張るらしい。

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