第226話 巨大なヘビ



「…ルイ様!お離しください!自分で歩けますから!」


「曽お祖父様!軍医を連れてきました!!」


ゴルが大声で軍医を呼んで直ぐ、ルイが軍医を引きずりながらゴルの前まで来た


「でかしたぞルイ!おい軍医!今直ぐセバスを診ろ!」


「ぐぇ」


ゴルはルイを褒めた後、引きずりられて来た軍医の首根っこを掴み、気絶して地面に寝かしているセバスの前に運んだ


「…っ!これは!内臓がかなり傷付いています!今直ぐ手術が必要です!そこの君!今直ぐセバス様を運びなさい!」


「っはい!」


セバスの容態を診た軍医は、近くの騎士を呼び、急いでセバスを運ぶ準備をし始めた


「…軍医、セバスを頼んだぞ、ルイ!お主は儂と来い!セバスを傷付けた者を殺しに向かうぞ!【魔装】!」


ゴルは、軍医にセバスの事を頼み、ルイに自分に付いて来るよう伝えた後、【魔装】を使い、セバスが吹き飛ばされて来た方向に向かって走り出した


「っ、はい!【魔装】!」


ゴルに付いて来るよう言われたルイは、慌てて【魔装】を使い、ゴルの跡を追った



「っ!なんじゃあのヘビは!」


「デカい…あんな巨大なヘビがいるなんて…」


セバスが飛ばされて来た方向に向ったゴルとルイは、兵士と騎士達を蹂躙している巨大なヘビを見て、驚きの表現を浮かべた


「ルイ!セバスが気絶する前に言っていたが!このヘビは魔法を使う!」


巨大なヘビの前に到着したゴルは、剣を抜き、巨大なヘビを警戒しながら、セバスから聞いたことをルイに伝えた


「そうなのですか!?」


ゴルの話を聞いたルイは、ゴル同様に剣を抜き、驚き表情で巨大なヘビを見上げた


「シャァァ…」


巨大なヘビは、自身の前に現れたゴルとルイを見て、本能的に危険を感じ取り、警戒態勢を取った


「ほぉ…儂とルイの強さを感じ取ったか、此奴、中々やるではないか…じゃが!警戒態勢を取るだけと云うことは、儂らに勝てると思っておるんじゃな!」


巨大なヘビが警戒態勢を取ったの見たゴルは、感心した様子で巨大なヘビを見た後、全身から魔力を垂れ流しながら、巨大なヘビを睨み付けた


「っ!シャァァァァ!!」


ゴルが魔力を垂れ流した瞬間、巨大なヘビは、自身が死ぬ瞬間をイメージし、慌てて全身に岩を纏った


「「っ!」」


「本当に使いよった…」


「こんな生物、初めて見ました…」


巨大なヘビが全身に岩を纏うのを見たゴルとルイは、驚きの表情を浮かべ、信じられないという表情で巨大なヘビを見た


「シャァァァァァァァ!!」


驚いてる2人を見た巨大なヘビは、2人のを丸呑みする為に、口を大きく開け、ゴルとルイ目掛けて襲い掛かった


「ルイ!」


「分かってます!」


ゴルとルイは、襲い掛かって来た巨大なヘビの攻撃を、左右に分かれ避けた


「ルイ!儂が前に出る!お主は援護に回れ!」


「はい!」


「【魔装】!さぁ行くぞ!」


巨大なヘビの攻撃を避けたゴルは、ルイに指示を出した後、【魔装】を使い、剣に魔力を纏わせ、巨大なヘビに向かって攻撃をし始めた


「(この位置では、曽お祖父様の援護は無理ですね、少し後に…)」


ゴルが巨大なヘビに攻撃をし始めて直ぐ、ルイはゴルの援護をする為に、急いで後に下がった


「まずは、挨拶代わりの1発じゃ!」


巨大なヘビに近付いたゴルは、巨大なヘビ目掛けて、思いっ切り剣を振り下ろした


キッーン「っ!なんじゃと!」


「シャァ!シャァァァァ!!」


巨大なヘビは、振り下ろされた剣を、岩を纏った尻尾で防ぎ、土魔法を使い、ゴル目掛けて、地面から土で出来た槍を生み出した


「不味い!【魔足】!」


ゴルは、自身に向かって来る土で出来た槍を見て、慌てて【魔足】を使い、空に向かって逃げた


「此奴、こんな魔法も持っておったのか…これはちと、長引くのぅ」


【魔足】を使い、空に逃げたゴルは、ただの土に変わっていく槍を見ながら、戦闘が長引く事を覚悟した








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