第219話 林王とセバス
「…林王、この度は、冥王様が御迷惑をお掛けしました…」
林王が、砂漠になった大地を見ながら、先祖達に謝り続けていると、冥王に説教をしていたセバスが、申し訳無さそうに林王の前まで行き、頭を下げて謝罪した
「セバス様、頭を上げて下さい…事の発端は、私の配下である、カイロン長老が原因です、冥王様やセバス様が、謝る必要はありません」
セバスに謝罪された林王は、セバスの肩に手を置き、少し暗い表情をしながら、頭を上げるよう伝えた
「しかし…」
林王に頭を上げるよう言われたセバスは、申し訳無さから、頭を上げることが出来ずにいた
「セバス様に頭を下げさせたままでは、私が心苦しいのです、だから頭を上げて下さい」
セバスが頭を上げずにいると、林王はセバスの肩から手を離し、もう一度頭を上げるよう頼んだ
「林王様がそこまで言うなら…」
林王にもう一度上げるよう言われたセバスは、申し訳無さそうにしながら、頭を上げた
「…ふふ、こんなに近くで貴方の顔を見るのは、何百年ぶりでしょう」
頭を上げたセバスの顔を見た林王は、少し照れた様子で、微笑みながらセバスに声を掛けた
「っ…約六百年ぶりです」
林王に照れた様子で声を掛けられたセバスは、林王から目を逸らし、恥ずかしそうにながら答えた
「林王様…」
林王とセバスのやり取りを見ていたハンスは、初めて見る林王の姿に絶句していた
「ほっほっほっ、相変わらず初心な奴らじゃのぅ」
冥王は、絶句しているハンスの隣まで行き、初々しい林王とセバスを、笑いながら見ていた
「っ!冥王様!」
冥王の笑い声を聞いたハンスは、隣にいる冥王を見て、驚きの表情を浮かべた
「お主、先程の驚き様からして、あの2人の事は知らなかったのじゃろ?」
冥王は、驚きの表情をしているハンスを横目で見ながら、照れた様子で話している林王とセバスを指差しながら質問した
「っ!はい!」
冥王に質問されたハンスは、質問された事に感動し、目を輝かせながら返事をした
「(…うむ…相変わらずエルフの反応には照れるのぅ)…あの2人はのぅ、好き合っておるくせに、毎回照れながら話すだけで終わるんじゃ」
目を輝かせているハンスを見た冥王は、内心照れくさそうにしながら、林王とセバスが、好き合っている事を伝えた
「本当ですか!?」
冥王に林王とセバスが、好き合っている事を聞いたハンスは、照れた様子で話し合っている林王とセバスを、驚いた表情で見た
「うむ、本当じゃ…あの2人は、本来なら夫婦になっておった2人じゃからのぅ」
冥王は、驚いた表情で林王とセバスを見ているハンスを横目で見ながら、林王とセバスが、本来なら夫婦になっていた事を伝えた
「えっ…それって…」
冥王の言葉を聞いたハンスは、林王とセバスから目を離し、隣にいる冥王を、驚いた表情で見た
「…今から儂が話す話は、絶対に誰にも話さぬと誓えるか?」
ハンスに驚いた表情で見られた冥王は、林王とセバスから目を離し、ハンスを真剣な表情で見ながら質問した
「…はい、生涯誰にも話さないと誓います」
冥王に真剣な表情で質問されたハンスは、覚悟を決めた表情を浮かべ、冥王を見ながら生涯誰にも話さない事を誓った
「では話すとするかのぅ、あの時代に起きた、数多くの悲劇を…」
ハンスの誓いを聞いた冥王は、照れた様子で話し合う林王とセバスを見ながら、冥王がまだ人間だった頃の話をし始めた
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