第218話 セバスの説教と林王の謝罪
「「・・・・・・・・」」
「…冥王様!!」
「…林王様!!」
冥王と林王が、困った表情で砂漠になった大地を見渡していると、遠くから怒った表情のセバスと、心配そうな表情をしているハンスが、冥王と林王の下へ走って来ていた
~冥王~
「おぉ、セバス、そんなに怒ってどうしたんじゃ?」
困った表情で砂漠を見ていた冥王は、怒った表情で近付いて来るセバスを見ながら、不思議そうに質問した
「っ!どうしたも何も!【死(デス)】を使いましたね!」
冥王に質問されたセバスは、冥王の前まで行き、砂漠を指差しながら、【死(デス)】を使った事を怒り始めた
「それは…林王の奴が思ったより善戦しよったから」
セバスに怒られた冥王は、少し申し訳無さそうにしながら、林王のせいだと言い訳した
「っ~!林王様のせいだと言いたいのですか!!貴方様は!ハーデス王国最後の王にして!最初の魔獣の王!冥王様でしょ!!そんな貴方様が!林王様に!忌み嫌う力を使うまで追い詰められた!?もっとマシな言い訳をして下さい!!」
冥王の言い訳を聞いたセバスは、より一層怒り始め、怒気を帯びた声で冥王を説教し始めた
「うぬぅ…」
セバスの説教を聞いた冥王は、悔しそうに顔を歪めた
「っ!なんですか!その悔しそうな顔は!!私が間違った事でも言いましたか!?」
冥王の悔しそうな表情を見たセバスは、悔しそうにしている冥王を見ながら、間違った事を言ったか質問した
「はぁ~…儂が悪かった、すまんのぅ」
セバスに質問された冥王は、悔しそうな表情を止め、拗ねた様子でセバスに謝った
「っ!全く反省してないじゃないですか!!本当に貴方というお方は、何時も何時も好き勝手して!!後始末する身にもなって下さい!!」
冥王に、拗ねた様子で謝られたセバスは、怒りで顔を真っ赤にしながら、冥王を見ながら説教をし始めた
「(…不味いのぅ、怒りが頂点に達したせいで、面倒くさい時のセバスになっておる…これは長引くのぅ…はぁ~~)」
セバスの顔が、真っ赤に成っているのを見た冥王は、内心面倒くさいと思いながらも、諦めてセバスの説教を聞き始めた
「冥王様!聞いていますか!?貴方様は!ご自身の立場を考えて行動するべきなのに!!何時も何時も!!…」
冥王が諦めて説教を聞き始めると、セバスは、日頃から溜まっていた不満や苛立ちを、ここぞとばかりに吐き出し始めた
~林王~
「…林王様、怪我はありませんか?」
セバスが冥王の説教をしている隣では、林王の前まで来たハンスが、林王を心配そうに見ながら、怪我が無いか聞いた
「…私は大丈夫よ、でも…」
ハンスに怪我が無いか聞かれた林王は、自身の身体を調べ、怪我が無い事を確認してから、大丈夫だと答えたが、砂漠に変わった大地を、悲しい表情で見ていた
「林王様…(クソっ!あの老害のせいで!林王様が悲しんでいるではないか!!)」
林王の悲しい表情を見たハンスは、林王になんと声を掛ければ良いか分からず、林王から目を逸らし、林王と冥王が闘う原因になったカイロンを、心の中で罵倒した
「(…御先祖様、申し訳ありません、私が不甲斐無いばかりに、里と森を護ることが出来ませんでした)」
ハンスが、心の中でカイロンを罵倒している間、林王は泣きそうな表情で砂漠になった大地を見ながら、心の中で先祖達に謝り続けた
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