第213話 冥王VS林王 5
「…地中に逃げたか」
手を軽く振り、【死者の炎】を消した冥王は、ただ溶けている地面を見て、林王が地中に逃げた事に気づいた
「うむ…困ったのぅ、儂は地中に届く様な魔法は、使えんのじゃがのぅ」
林王が逃げた事に気づいた冥王は、固まり始めた地面を見ながら、地中に居る林王に届く魔法が無い事に、困り果てていた
「…【樹剣万樹】!」
冥王が困り果てていると、地中奥深くに居る林王は、【木球】から腕を出し、【樹剣万樹】を発動した
【樹剣万樹(じゅけんまんじゅ)】は、剣の形をした木を、地面から大量に生やす魔法
「なっ!…ちっ!」
冥王は、いきなり生えてきた木に驚き、生えてきた木を避ける為に、【魔足】を使い、慌てて上空に逃げた
「…(逃がしません!)」
冥王が上空に逃げたのを感知した林王は、膨大な魔力を地中に流し込み、【樹剣万樹】を操作し始めた
林王に操作された【樹剣万樹】は、林王の膨大な魔力を吸収し始め、猛スピードで成長していき、冥王目掛けて襲い掛かった
「厄介な!」
冥王は、自身を斬ったり、刺そうしてくる【樹剣万樹】を、【魔足】と【魔装】を使い、空中を移動しながら躱し続けた
「…【木蔓】!」
林王は、冥王が【樹剣万樹】を空中で躱している間に、冥王に気づかれない様、素早く【木蔓】を生み出し、【樹剣万樹】に紛れ込ませ、空中を移動している冥王の足を【木蔓】で掴んだ
【木蔓】は、木で蔓を生み出す魔法
蔓の強度は、使った魔力に依存する
「なっ!(不味い!!)」
【木蔓】に足を掴まれた冥王は、いきなり足を掴まれた事に驚き、これから起きる事に気づき、防御をする為に素早く【魔装】に使う魔力を増やした
「(っ!)」
林王は、冥王が【魔装】に使う魔力を増やした事に気付きながらも、【木蔓】を操作し、冥王を地面に叩き付けた
「ぐはっ!この!」
「(ここで終わらせます!)【木蔓】!」
「なっ!クソっ!」
地面に叩き付けられた冥王は、直ぐに立ち上がろうとしたが、林王が素早く生み出した【木蔓】に捕まり、その場に括り付けられた
「(このまま地中に!!)」
冥王を【木蔓】で縛り付けた林王は、冥王を縛り付けたまま、地中に引き摺り込み始めた
「っ!舐めるな!【火炎装火】!」
地中に引き摺り込まれ始めた冥王は、自身を縛る【木蔓】から逃れる為に、【火炎装火】を使った
【火炎装火】は、自身の身体を覆うように炎の鎧を作り、触れたものを燃やす魔法
「(無駄です!!!)」
冥王が【火炎装火】を使った瞬間、林王は【木蔓】が燃えないよう、膨大な魔力を【木蔓】の流し込みながら、冥王を地中に引き摺り込むスピードを上げた
「…クソっ!!林王め!どれだけ魔力を込めたんじゃ!!」
燃えない【木蔓】を見た冥王は、林王に悪態を付きながら【火炎装火】を解き、地中に引き摺り込まれ無いよう【魔装】を使い、近くの地面に両手の指をめり込ませた
「(っ!その程度の抵抗は、無意味です!!!)」
【木蔓】を操作している林王は、冥王が地中に引き摺り込まれないよう、抵抗しているのを感じ取り、【木蔓】により多くの魔力を流し込み、冥王を地中に引き摺り込む力を上げた
「くっ!林王め…」
林王が引き摺り込む力を上げたせいで、冥王は抵抗虚しく、地中に引き摺り込まれた
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