第210話 冥王VS林王 2


~林王~


「これは…まさか、私の樹海を燃やすなんて…っ!今すぐ止めなくては!【樹海操作】!」


【神罰の炎】によって燃えていく樹海を、驚いた表情で見ていた林王は、冥王の目的に気づき、慌てて地面に手を置き、【樹海操作】を発動した


【樹海操作】は、大量の魔力を地面に流し込む事により【樹海降臨】で生み出した樹海を、自由自在に操る魔法


林王が発動した、【樹海操作】より、大量の魔力を流し込まれた樹海は、全体の成長スピードを上げた


「(これで、神罰の炎によって、樹海が燃え尽きる事はないでしょう)…冥王様!貴方様は絶対に!ここには!越させません!」


樹海の成長スピードが上がったのを、確認した林王は、冥王の魔力を感知した場所に、大量の魔力を流し込み、冥王が居る場所の、樹海を操作し始めた



~冥王~


林王が樹海を操作し始めて直ぐ、冥王とセバスは、林王に操られた木に襲われていた


「…林王め、樹海を操作し始めたな」


冥王は、襲いかかって来る木を避けながら、大量の魔力が流れて来る場所を睨み付けた


「(じゃがチャンスじゃ!)…セバス!大丈夫か!」


大量の魔力が流れてくる場所を睨み付けていた冥王は、木に襲われているセバスの方を見て、大丈夫か聞いた


「シッ!はい!なんとかですが!」


冥王に、大丈夫か聞かれたセバスは、【魔装】を使い、襲い掛かってくる木を、剣で斬り飛ばしながら答えた


「では付いて来い!林王の下へ行くぞ!」


木を斬り飛ばしているセバスを見た冥王は、【魔装】を使い、大量の魔力が流れ来る場所に向かって、移動し始めた


「シッ!わかりました!」


林王の下へ行くと言われたセバスは、襲いかかってくる木を斬り飛ばし、慌てて冥王の跡を、追いかけ行った



~林王~


「(可笑しい…今まで感じていた手応えが消えた…)」


冥王とゼバスが、林王の下へ移動し始めた頃、樹海を操作している林王は、違和感を感じていた


「(まさか移動し始めた?…いったい何処に…調べなくては…)【風の探索】!」


林王は、冥王の居場所を探す為に、冥王の魔力を感知していた方向に向かって、【風の探索】を使った


【風の探索】は、風を起こし、風の流れを感じ取り、物や人を感知する魔法


「っ!不味い!【木龍】!【風脚】!」


【風の探索】を使った林王は、猛スピードで向かって来る冥王を感知し、慌てて樹海に流している魔力を切り、向かって来る冥王に向かって【木龍】を放ち、【風脚】を使い空に飛び上がった



~冥王~


「ちっ!舐めるな林王!【火龍】!」


林王の下へ、猛スピードで向かっていた冥王は、自身に突っ込んでくる【木龍】に向かって、【火龍】を放った


【火龍】は、炎で出来た龍を生み出す魔法


冥王が放った【火龍】は、林王が放った【木龍】と、上空でぶつかり、林王の放った【木龍】を燃やし尽くし、そのまま【木龍】が来た方向に向かって飛んで行った


「セバス!先に行くぞ!」


【火龍】が、林王目掛けて飛んで行ったのを見届けた冥王は、後ろに付いて来ているセバスに声を掛け、【魔装】に使う魔力を増やすと同時に【魔足】を使い、空を猛スピードで移動し始めた


「(このままついて行っても、私は足手まといに成る、ここで離脱するべきですね…)分かりました!ご武運を!…さて、巻き込まれない為に、私は、避難しているエルフ達に合流した方がいいですね」


せバスは、冥王と林王の戦いに、自身がついて行けないと思い、冥王に声を掛けた後、移動スピードを落とし、エルフ達と合流する為に、動き始めた






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