第209話 覚悟を決めた林王


~林王~


冥王が、【神罰の炎】を放つ少し前、冥王とセバスが、まだ樹海の中を移動している頃、林王はエルフ達を、本体の周りに避難させていた


「ルーファ、これで民の避難は終わりましたか?」


林王は、避難して来たエルフ達を見ながら、傍に控えているルーファに声を掛けた


「はい、今しがた到着した者達で最後です」


林王に声を掛けられたルーファは、ハンスに護衛されながら到着した、エルフの集団を見ながら答えた


「そうですか…では、今すぐ森の守護団を集めなさい!」


避難が終わった事を聞いた林王は、覚悟を決めた表情を浮かべ、力強い声でルーファに命令した


「はっ!」


命令を受けたルーファは、急ぎ森の守護団を集めに向かった


「(冥王様…願わくば、罪無き者達には、慈悲をお与え下さい)」


ルーファが、森の守護団を集めに向かった後、林王は、空を見上げながら、罪の無い者達が、犠牲にならない事を願った



暫くして、森の守護団全員が、林王の前に集まった


「…林王様、我ら守護団、全員集合しました…なんなりと御命令下さい」


全員が集まったの確認したハンスは、林王の前に跪き、覚悟を決めた表情で林王を見ながら話した


「「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」」

ハンスが跪いた瞬間、林王の前に集まっていた守護団全員が、その場で跪き、下を向きながら、林王の命令を待った


「…もうすぐ、冥王様がここに来ます」


林王は、覚悟を決めた表情をしているハンスと、跪いている守護団を見渡し、心苦しいそうに冥王が来る事を伝えた


「「「「「「「っ!」」」」」」」


冥王が来ると聞いた、ハンスと守護団員達は、驚きの表情を浮かべた


「…私は、命を賭け、冥王様と戦います」


林王は、覚悟を決めた表情で、冥王と戦う事を伝えた


「「「「「「「「「「「っ!林王様!っ~!」」」」」」」」」」」


林王の言葉を聞いた守護団員達は、林王を止めようと顔を上げたが、林王の覚悟を決めた表情を見て、何も言う事が出来なかった


「あなた達には、私と冥王様の戦闘に、民が巻き込まれない様、民を護る事を命じます…頼みましたよ」


林王は、守護団全員を、慈愛に満ちた表情で見ながら、民を護る事を頼んだ


「「「「「「「っ~~分がりまじた!」」」」」」」


林王の、慈愛に満ちた表情を見た、守護団員達は、ある者は涙を流しながら、またある者は悔しそうにしながら、林王の命令を受け取った


「では、行きな、っ!…あれは!【神罰の炎】!全員!今すぐ民を護りなさい!」


林王は、覚悟を決めた表情で、守護団に命令しようとしていたが、樹海の中から、冥王の魔力を感じ取り、魔力を感じた方向を見た瞬間、上空に放たれた【神罰の炎】に気づき、焦った様子で、守護団全員に、民を護る様命令した


「「「「「「「「「っ!はっ!」」」」」」」」」


命令を受けた守護団員達は、直ぐ様、民を護りに動き始めた


「(たしか、【神罰の炎】は、冥王様が燃やしたい物をだけを燃やす魔法の筈…今回の対象は、多分、私かエルフ全員…でも、それなら、なんで樹海全体に落ちる様に使ったの?冥王様の目的はいったい…)」


守護団員達が、民を護る為に動いている間、林王は、空から落ちて来る黄金の炎を見ながら、冥王が【神罰の炎】を使った目的を考えていた




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