第206話 そっくりな親子


「はぁ~疲れた、やっと終わった」


ピアノを弾いていたセイは、レイが疲れて声を出すのを止めた後、疲れた様子で、ピアノの演奏を止めた


「…レイ、そろそろシスターの所に行こうか?」


演奏を止めたセイは、ピアノを元に戻した後、ソファーの上で、疲れた様子で絵画を見ているレイに近づき、両手を伸ばした


「あぅ~!」


絵画を見ていたレイは、両手を伸ばしているセイに気づき、抱っこをしてもらう為に両手を上げた


「おぉ~、いい子だな~」


セイは、抱っこをしてもらう為に両手を上げたレイに感心しながら、レイの脇を掴み、レイを持ち上げた


「さて、ソファーも戻すか【魔装】!ふん!」


レイを持ち上げたセイは、そのまま片手でレイを抱っこしてから、【魔装】を使い、空いている片手でソファーを持ち上げた


「これで元通りだな」


ソファを持ち上げたセイは、ソファーが元々有った場所にソファーを戻した


「さぁレイ、シスター達が居るであろう食堂に向かうぞ!」


「あぅ~!」


ソファーを元に戻したセイは、レイと共に音楽室を後にした



「…到着~」


「あぅ~!」


「っ!もう戻ってきたの!?」


食堂に着いたセイが、抱っこしているレイを見ながらドア開けると、ゆったり食後のお茶を飲んでいたマーサが、驚いた顔で、セイとレイを見た


「なに、もう少し後の方が良かった?」


「あぅ~?」


マーサの言葉を聞いたセイが、少し拗ねた様子で首を傾げると、レイもセイの真似をして首を傾げた


「ふふ、そんな事は無いけど…それより、そうやって同じポーズを取ると、本当にそっくりね」


セイとレイが、同じ様に首を傾げている姿を見たマーサは、笑顔を浮かべながら、2人がそっくりだと伝えた


「そりゃ親子だからねぇ?」


「あぅ~?」


マーサにそっくりだと言われたセイが、笑顔でレイを見ながら首を傾げると、レイも笑顔で首を傾げた


「あら、2人共そっくりね!」


セイとレイが笑顔で首を傾げていると、廊下からセナがスッキリした様子で食堂に入って来てた


「(ん?なんで俺と同じぐらいに寝たのに、そんなにスッキリしてるんだ?)…母様、まさかとは思うけど、寝起き?」


セナの様子を見たセイは、セナの様子に疑問を抱き、恐る恐る質問した


「そうよ、当たり前じゃない」


セイの質問に、セナはレイの頭を優しく撫でながら、セイを見ずに答えた


「あっ、そう、先に言っとくけど、今日はもう俺、演奏しないからね」


セナの言葉を聞いたセイは、少し呆れた様子で、演奏をしない事を伝えた


「あら、そう…ん?ちょっと!セイ!どういうことよ!」


セイの話を聞いたセナは、話を聞き流そうとしたが、セイの話に疑問を抱き、慌ててセイの方を向き、演奏しない理由を聞いた


「だってもう、1時間以上演奏したから、疲れたんだよ」


演奏をしない理由を聞かれたセイは、疲れた様子で、既に演奏をした事を伝えた


「なんで、もう演奏したの!?昨日約束したわよね!」


セイの疲れた様子を見たセナは、少し怒った表情で、セイに詰め寄った


「俺も本当は、昼過ぎから演奏しようと思ってたんだけど、レイが目を輝かせて俺を見るから、つい演奏しちゃった」


セナに詰め寄られたセイは、申し訳なさそうにしながら、レイの為に演奏をした事を伝えた


「レイちゃんが?それってどういう事?」


レイの為だと聞いたセナは、セイから少し離れ、首を傾げながら、何があったのかを聞いた


「それは…」


セナに聞かれたセイは、マーサと会った所から事をセナに伝えた


「つまり、セイはレイちゃんの涙に負けたのね?」


セイに話しを聞いたセナは、責める様にセイに質問した


「えっと…まぁ、そうだね」


セナに責める様に質問されたセイは、セナから目を逸らしながら、レイの涙に負けた事を認めた


「はぁ~、なら明日は、ちゃんと聞かせてもらうわよ!」


セナは、呆れた様子でセイを見た後、少し怒った表情で、明日は聞かせてもらうと伝えた


「分かっているよ、明日はちゃんと母様も呼ぶから」


セナの少し怒った表情を見たセイは、少し拗ねた表情を浮かべながら、明日はちゃんと呼ぶと答えた


「ならいいわ…さぁレイちゃん、お祖母様と一緒にご飯を食べましょう」


セイの答えに満足したセナは、セイが抱っこしているレイに向かって両手を伸ばした


「あ~!」


セナが伸ばした両手を見たレイは、抱っこされる為に、両手を上げた


「…ふふ、いい子ねぇ~」


セナは、両手を上げたレイの脇を掴み、そのままレイを持ち上げ、抱っこした


「さぁ、ご飯にしましょう」


レイを抱っこしたセナは、マーサの方に向かって行った


「はぁ~本当母様は、自分勝手なんだから」


セナがレイを連れて行った後、セイは小声でセナの文句を言った


「セイ?何か言った?」


セイが小声で文句を言って直ぐ、セナはセイの方に振り返り、冷めた表情でセイを見た


「い、いや何も!さ、さて、俺もご飯にするかな!」


セナに冷めた表情で見られたセイは、焦りながら首を振ってから、ご飯を食べる為にセナの方に向かい始めた


「・・・・・・・・・・・・」


セイの焦った様子を見たセナは、自分の方に来るセイを、冷めた表情で見ていた





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