第207話 冥王VS林王


~冥王~


セイが、セナに冷めた目で見られながら、朝ご飯を食べている頃、冥王とセバスは、エルフの森の前まで来ていた


「…さて、林王に挨拶するかのぅ」


エルフの森手前、上空に居る冥王は、エルフの森に向けて手を向け、魔力を手のひら集め始めた


「ちょっ!冥王様!何をする気ですか!」


冥王が、手のひらに魔力を集め始めたのを、感じ取ったセバスは、慌てて冥王の手を掴み質問した


「なに、ちょっとした挨拶じゃ」


セバスに手を掴まれた冥王は、魔力を集め続けながら、セバスの方を見て答えた


「なっ!駄目ですよ!そんな事をしたら戦争になります!」


冥王の答えたを聞いたセバスは、顔色を悪くさせながら、冥王を止め始めた


「ならなんじゃセバス、お主は、恩を仇で返し、ハーデスに対し、伏して感謝しろなどとほざくエルフ達を、見逃せと言うのか?」


セバスに止められた冥王は、全身から魔力を放出させながら、怒気を帯びた声でゼバスに質問した


「っ~…いえ、差し出がましい事を申してしまい、申し訳ありません」


冥王が本気で怒っていると感じ取ったセバスは、冷や汗を流しながら、冥王の手を掴んでいる手を離し、冥王に頭を下げ、後ろに下がった


「…では、始めよう、恩を仇で返した愚か者に、ハーデスの裁きを!【神火白炎】!」


セバスが後ろに下がったのを見届けた冥王は、エルフの森の方を向き、エルフ森中央に向かって【神火白炎】を放った


【神火白炎】は、ありとあらゆる物質を、燃やす事が出来る魔法

冥王が使う魔法の中で、最強の魔法の1つ



~林王~


「っ!この魔力は!」


冥王が【神火白炎】を放つ少し前、林王は、冥王が全身から放出させた魔力を感じ取っていた


「何故あの方がここに!?」


冥王の魔力を感じ取った林王は、冥王から魔力がする方向を凝視した


「何か嫌な予感がします、今すぐ動か…なっ!」


冥王の方向を凝視していた林王は、嫌な予感を感じ取り、直ぐに里の方に向かい始めたが、冥王感じていた魔力が、大幅に増えたのを感じ取り、驚きの表情を浮かべた


「(っ!不味い!皆を守らなくては!)【樹海降臨】!【風神の加護】!」


驚きの表情を浮かべていた林王は、直ぐに、冥王の魔力が増えた理由が、攻撃の為だと気づき、里に居るエルフ達を護る為に、【樹海降臨】と【風神の加護】を使った


【樹海降臨】は、大量の魔力を地面に流し、発動した場所から、半径50キロを樹海に変える魔法


【風神の加護】は、発動した場所から、半径10キロを、暴風で出来たシールドで護る魔法


林王が、【樹海降臨】と【風神の加護】を使った瞬間、冥王の【神火白炎】が放たれ、林王が生み出した樹海を燃やし始めた


「くっ!樹海が燃えていく!このままでは里も燃えてしまう!急いで避難させないと!」


林王は、樹海が猛スピードで燃えていくのを感じ取り、慌てて里の方に向かい始めた



~冥王~


「おお~、流石は林王じゃな」


林王が慌てて里の方に向かっている頃、冥王は、エルフの森手前上空で、燃えてく樹海を見ていた


「儂の魔力を感知して直ぐに、エルフ達を護る為に魔法を使ったか」


樹海が現れた瞬間を見ていた冥王は、林王が何をしたか正確に見抜いていた


「さて、セバス、林王に会いに行くぞ」


燃える樹海を見ていた冥王は、セバスを方を見ながら、林王に会いに行くことを伝えた


「分かりました、では、急ぎましょう!」


冥王に、林王に会いに行くことを伝えられたセバスは、急いでエルフの森の中央に向かい始めた


「…はぁ~、相変わらずセバスは、林王の事になるとポンコツになるな」


冥王は、急いでエルフの森の中央に向かうセバスを、呆れた様子で見ていた





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