第202話 冥王VSセバス
~冥王~
セイがレイに顔を逸らされて固まっている頃、冥王とセバスは、冥王の領域の上空を、【魔足】を使い,追いかけっこをしていた
「冥王様!御城にお戻りを!」
セバスは、前にいる冥王に手を伸ばしながら、城に戻るよう頼んだ
「それは無理じゃな!」
セバスに城に戻るよう言われた冥王は、後に付いてくるセバスを、横目で確認しながら、【魔足】に使う魔力を増やし、移動スピードを上げた
「っ!全く!あのお方は!」
冥王がスピードを上げると、セバスは文句を言いながら、【魔足】に使う魔力を増やし、移動スピードを上げた
「冥王様!いい加減にしてください!これ以上好き勝手するなら、力尽くで御城に連れて帰りますよ!」
移動スピードを上げた冥王に、追い付いたセバスは、少し怒った表情で、冥王に伝えた
「やってみるがいい!【火球】!」
セバスの言葉を聞いた冥王は、【火球】をセバス目掛けて放った
【火球】は、手のひらから、球体状の火を生み出し、相手目掛けて放つ魔法
「そのぐらい!【魔拳】!」
セバスは、自身に向かって来る【火球】に向かって【魔拳】を使い、冥王が放った【火球】を消滅させた
「さて、次はこちらの番です!【音速突き】!」
【火球】を消滅させたセバスは、拳を貫手に変え、【音速突き】を冥王目掛けて放った
【音速突き】は、剣や槍、または貫手に魔力を纏わせ、音速で突きを放つ魔法
「ぐっ!」
セバスの【音速突き】を、冥王は、大量の魔力を全身に纏い受け止めたが、衝撃を受け止めきれず、10メートル近く吹き飛ばされた
「セバス!危ないじゃろ!」
10メートル近く吹き飛ばされた冥王は、【魔足】を使い体勢を整え、セバスの方を向き、文句を言った
「無傷で済んでいるんです!文句は聞きません!【音速突き】!」
冥王に文句を言われたセバスは、真剣な表情を浮かべ、もう一度【音速突き】を冥王目掛けて放った
「2度は喰らわん!【火炎大蛇】!」
冥王は、【火炎大蛇】を使い、セバスの【音速突き】から身を護った
【火炎大蛇】は、名前の通り、炎の大蛇を生み出す魔法
冥王に生み出された、炎の大蛇は、冥王を護る様にとぐろを巻き、セバスの【音速突き】を、その身で受けた
「熱っ!くっ!」
【音速突き】を放ったセバスは、冥王の【火炎大蛇】を攻撃したせいで、腕に火傷を負い、慌てて【火炎大蛇】から距離を取った
「セバス、その腕じゃもう、戦えぬのぉ」
冥王は、片手で【火炎大蛇】を撫でつつ、もう片手で火傷したセバスの腕を指差し、勝ち誇った顔でセバスを見た
「いえ、まだ戦えます…と言いたい所ですが、冥王様が相手では、これ以上は無理ですね」
セバスは、冥王を見ながら、戦う構えを取ったが、諦めた表情を浮かべ、戦う構えを解いた
「うむ、なら、さっさとマーサの所で、治してもらえ」
冥王は、火傷したセバスの腕を見ながら、マーサの所に行くようセバスに伝えた
「いえ、これは、後で治してもらいます、冥王様御一人で、林王様の所には行かせられません」
セバスは、懐から包帯を出し、火傷した腕を包帯で巻きながら、冥王に付いて行くと答えた
「う~む…(コヤツ、かなり頑固じゃからのぅ)…はぁ~仕方ないのぅ」
冥王は、包帯を巻くセバスを見て、諦めた表情を浮かべ、付いてくる事を認めた
「巻き終えたな…では、行くぞ!」
「はっ!」
冥王は、セバスが包帯を巻き終わるのを待ち、巻き終えて直ぐに、エルフの森に出発した
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