第200話 住民達の歓迎



「…はぁ~やっと戻って来たな」


ハントとハンスと別れたセイは、【魔足】を使い、ほぼ休まず移動し続け、2日かけ、都市ロイが見える位置まで帰って来ていた


「…レイは元気かなぁ~」


セイは、息子のレイに会うのを楽しみにしながら、都市ロイの上空を通り抜けていた


「むっ、あれは…セイ様!」


「えっ?セイ様!何処に居るの!?」


「あっ!あそこだ!空にいる!」


「きゃぁぁ!!セイ様よ!セイ様が帰ってきたのよ!」


「セイ様!おかえりなさい!」


「よくご無事で!」


「この度の旅はどうでした!?」


「林王様に会いに行ってたんですよね!?」


都市ロイに住む1人の住民が、空を移動しているセイを見つけ、声を上げると、周りに居た住民達も、空に居るセイを見つけ、セイに声を掛け始めた



「ん?なんだ?」


都市ロイの上空を移動していたセイは、下から聞こえる声に気づき、その場で止まり下を見た


「…なんで俺が、林王の所に行っていたのを知っているんだ?」


セイは、住民達の声の中から、林王の名前が出た事に、疑問を感じ首を傾げた


「…まぁ、冥王様に聞けばいいか…それより…」


セイは、せっかく声を掛けてくれたのに、無視するのは良くないと思い、住民達に手を振った


「あっ!セイ様が手を振ってくれてるぞ!」


「本当!?セイ様~!!」


「「「「「セイ様~!!!」」」」」


セイが手を振ると、住民達は歓声を上げながら手を振り返した



「…これ、いつまでやればいいんだ?」


暫く手を振り続けたセイは、自分を見る為に増え続けた住民達を見ながら、いつ辞めるか分からなくなっていた


「…お帰りなさいませ、セイ様」


セイが住民達に手を振っていると、セバスが【魔足】を使い、セイの横までやって来た


「ただいまセバスさん」


セイは、住民達に手を振りながら、横に来たセバスを見た


「セイ様、下がかなりの騒ぎになっているので、そろそろ手を降るのを辞めて頂けると…」


セバスは、少し申し訳無さそうにしながら、

下で増え続ける住民達を指差した


「…そうだな、俺も辞め時が分からなくて困ってたんだ」


セバスに言われ、セイは、手を振るのを辞めた


「では、セナ様達がセイ様が帰るのを、楽しみに待っているので、そろそろ行きましょう」


セバスは、城をチラッと見てから、セイに城に戻る様に伝えた


「ん?…はぁ~全くあの2人は…分かった帰るか」


セイは、セバスが城をチラッと見たのが気になり、城を凝視すると、城の玄関前で、セナとサラが、自分を見ているのが見え、呆れた表情を浮かべながら、城に戻り始めた


セイが城に戻り始めると、セバスはセイの後ろに付いて行った



「…ただいま」


「あら、お早いお帰りね」


セナ達の前に降りたセイが、セナ達に声を掛けると、セナが冗談交じりに、少し意地悪く答えた


「いや~俺もこんなに早く帰れるとは思ってなかったんだど、林王と思いっきり揉めちゃって」


セナの冗談交じりの意地悪に、セイは笑顔で、軽い感じで本当の事を話した


「「「…え?」」」


セナ達は、セイの話が理解できず、その場で固まってしまった


「かなり本気で林王と戦ったんだけど、まさか、あそこまで強いとは思わなかったよ」


セイは固まっている3人を無視して、林王との戦いを思い出しながら、戦った感想を伝えた


「…ちょっと待って!セイ!あなた、本当に林王様と戦ったの!?」


セイの感想を聞いたセナは、慌ててセイに詰め寄った


「うん、けっこうガチで戦った」


セナに詰め寄られたセイは、真顔でセナを見ながら答えた


「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」


セイの話が、本当だと確信した3人は、絶句してしまった


「っ冥王様に知らせてきます!」


いち早く正気に戻ったセバスは、林王と揉めた事を、慌てて冥王に伝えに行った


「…はぁ~、セイ、やっちゃたね」


セバスが冥王の下に向かった後、サラは、責める様な目でセイを見た


「本当よ、林王様と揉めるなんて…」


サラの言葉を聞いたセナは、これからの事を考えて、頭を抱えた


「まぁ、やっちゃったもんは、仕方ないよ」


「「っ~!このお馬鹿!」」


「痛っ!」


セイの全く反省していない態度に、セナとサラはムカつき、セイの頭を、思いっきり叩いた




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