第175話 冥王と共にトーカスへ
セイと冥王が、1日中模擬戦をし続けた次の日、セイと冥王は、朝からセナ達に見送られトーカスは向けて出発した
セイと冥王は、【魔足】と【魔装】を使い、その日の夜にトーカスの王都に着いた
「やっぱ、人1人運ばないだけで、1日早く着けたか」
「それはそうじゃろ、特に鎖で雁字搦めにされていたボルドを運んだなら、1日は余分に掛かって当然じゃ」
王都に着いたセイと冥王は、宰相宅の庭に降り、屋敷に向かって歩き始めた
「セイ様!もうお戻りっ!?」
「ダグラ!」
セイと冥王が、屋敷に着くと、ダグラがセイを迎えに屋敷の外まで来たが、冥王を見て気絶した
「お~い!ダグラ~!起きろ~!」
セイは気絶したダグラを軽くビンタをしながら起こしていた
「ん゙っう~ん、はっ!セイ様!ぎぁぁぁぁぁぁ!」
目を覚ましたダグラは、直ぐにセイを見たが、セイの後ろに居た冥王を見て、叫びながら屋敷の中に入って行った
「ダグラ、なんで逃げ…あっ!そういえば、冥王様って骸骨にローブ姿だったね」
「うむ、そういえばそうじゃな、最近驚かれた事が無かったせいで、忘れておったわ」
ダグラが、逃げた事に疑問を感じたセイだが、冥王の姿を思い出し、逃げた理由に納得した
セイに言われ、自身の姿を思い出した冥王は、ダグラが逃げた理由に笑いながら納得した
「セイ様!ダグラが意味の解らない事を叫んでいるのですがっ!」
セイと冥王が、ダグラを逃げた理由に納得していると、屋敷の中からサクアが出て来て、冥王を見て固まった
「冥王様、この人が前に話した、林王の命で、この国に潜入している、エルフのサクア」
セイは、固まってしまったサクアを無視して、冥王にサクアを紹介した
「ほう、コヤツが…」
冥王は、サクアの前まで行き、じっとサクアを見た
「はっ!め、め、め、め、め、冥王様!わた、わた、私は!林王様部下サクアと申します!」
冥王に見られていたサクアは、正気に戻った後、慌てて冥王の前に跪き、自己紹介をした
「(むっコヤツ、結構強いのぅ)ほっほっほっ、林王の奴は、良い部下を育てておるのぅ」
サクアの強さを読み取った冥王は、笑いながら、サクアを褒めた
「あ゙り゙がどゔござい゙ま゙ず!冥王様に゙ぞゔ言っで頂げる゙だげで、感無量でず!」
冥王に褒められたサクアは、号泣しながら喜んだ
「(やっぱ、エルフからしたら、冥王様に褒められた事は、凄い名誉な事なんだな…でもその涙の量はちょっと…)」
セイは、エルフと冥王の在り方に心打たれながらも、サクアの涙の量に少し引いていた
「サクア、悪いが今日だけ泊まらせてもらうぞ?」
「ばい゙!今日だげでな゙ぐ、い゙づま゙でも゙泊まっでぐだざい゙!」
冥王とセイは、泣き止まないサクアを連れ、屋敷に入って行った
「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
セイと冥王が屋敷に入ると、騒ぎを聞いたクロスが部屋から出て来ており、冥王を見て悲鳴を上げながら気絶した
「はぁ、クロスは放置しよう」
「よいのか?」
「良いよ、もう面倒くさいし」
セイは、クロスを起こすのが面倒く思い、気絶したクロスを放置して、自身が泊まっている部屋に向かった
結局クロスは、セイと冥王を部屋に案内した後、泣き止んだサクアが叩き起こした
一夜明け、セイと冥王は、朝からサクアを連れ、王宮に向かい馬車で移動した
「多分、ヒナイト殿達は、会議室で会議しております」
「ならそこに案内してくれ」
「はい!」
王宮に着いたセイと冥王は、馬車を降りてから、サクアの案内で会議室に向かった
「むぅ、しかしこの王宮、かなりボロボロじゃな」
サクアの案内で、王宮内を歩いていると、冥王が王宮を見てボッソと感想を言った
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「えっと…その…これ俺がやったんだよね」
冥王の言葉に、サクアは何も言えず、セイはボロボロの王宮を見ながら、申し訳なさそうに答えた
「なんじゃと…」
「いや~ちょっと張り切ちゃって、かなり強めに魔法使っちゃたんだよね」
セイの言葉に、冥王は唖然としてしまい、セイは軽い感じで説明した
「はぁ、セイは手加減を知らんのぅ」
冥王はため息を吐きながら、セイを見ていた
「あっはっはっはっはっはっはっ」
冥王に見られているセイは、笑って誤魔化すしかなかった
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