第170話 戦いの裏で
セイが国王の首を斬り飛ばした後、広間に居る貴族達が混乱している間に、アナベル、アティア、サーチェ、ヒサカ、デニス、ガイラ、アルフェス、アルカの8人は、混乱に生じて広間から脱出していた
「アルフェス!貴方は今すぐ、この城から誰も出れないよう、城門を閉めに行きなさい!」
広間から出て少し離れた場所に着くと、アナベルがアルフェスに指示を出した
「分かりました!ヒサカ!王妃の権限を使う!一緒に来てくれ!」
「ちょっと、お兄様!」
指示を聞いたアルフェスは、直ぐにヒサカの腕を掴み、【魔装】を使い城門に向かって走り出した
「キャ!」
「っと、すまん!おぶって行く!」
【魔装】を使えないヒサカは、アルフェスに引っ張られ、転びそうになったが、アルフェスが受け止め、おぶって城門に連れて行った
「デニス、ガイラ、アルカの3人は、広間から出て来る、人類至上主義を嫌う貴族の保護に回りなさい」
アルフェスとヒサカが、城門に向かったのを見ていたアナベルは、デニス、ガイラ、アルカの方に振り向き、広間から逃げ始めている者達の中から、真っ当な貴族の保護を命じた
「「「分かりました!」」」
デニス、ガイラ、アルカの3人は、【魔装】を使い、貴様を保護する為に、広間の方向に走り出した
「それでアナベル、私達はどうする?」
「そうね…本来なら国王の拉致が私達3人の仕事だったけど…」
「まさか、あんな簡単に国王が死ぬとは思ってもみなかったわ」
サーチェ、アナベル、アティアの3人は、国王が死んだせいで、自分達がする事が無くなり、これからどうするか考え始めた
「…仕方ないわ、人類至上主義の貴族を捕まえましょう」
「そうね、あんな連中が変に生き残ると後々面倒だもの」
「なら急ぎましょう」
少し考えた後、アナベル、アティア、サーチェの3人は、人類至上主義の貴族を捕まえる為に動き始めた
暫くして、やるべき事を終わらせたアルフェス、ヒサカ、アナベル、アティア、サーチェ、デニス、ガイラ、アルカの8人は、人類至上主義を嫌う貴族達を保護しながら、城の庭に集まっていた
「そういえば、母様達のドレスに血がついてますけど、何をしていたんですか?」
「ふふ、人類至上主義の貴族達を、地下牢に叩き込んできたの♪」
「「凄く楽しいかったわ♪」」
アナベル、アティア、サーチェのドレスに、血が付いている事に気づいたアルフェスが理由を聞くと、アナベル達3人は、満面の笑みで答えた
「「「「「(怖!)」」」」」
アナベル達の満面の笑みを見たアルフェス達は、ドレスに血を付けながら笑う3人に恐怖を感じた
「…おや、ここに居たのですか」
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
アナベル達が話していると、1人の男が、アナベル達のすぐ横に現れた
アナベル達は、いきなり現れた男に驚き、一斉に警戒体勢を取った
「っ!宰相!何故貴方が此処に居るの!」
「セイ様に貴方方の手伝いを命じられたからですよ」
「「「「「「「っ!」」」」」」」
警戒体勢を取ったまま、アナベルが聞くと、サクアは、警戒を解く為に、両手を軽く上げながら答えた
アナベル達は、サクアからセイの名前が出て事に驚きの表情を浮かべた
「…どういう事、何故貴方がセイ様を知っているの?」
「それは簡単な事ですよ、私が…エルフだからです」
「「「「「「「っ!嘘!宰相って、エルフだったの!」」」か!」」」」
アナベルの質問に、サクアは変装を解き、エルフ特有の耳を見せた
サクアの耳を見たアナベル達は、驚きながらサクアの耳を凝視した
「さて、これで納得しても…「「お前達無事か!」」…おや?」
アナベル達の、警戒心が解けたと感じたサクアが、話し始めると、広間から出て来たヒナイトとディランが【魔装】を使い、凄い勢いで走って来た
「貴方!」「お「父様!」」「父上!」「「ヒナイト叔父様!ディラン叔父様!」」「「ヒナイト!ディラン!」」
所々傷を負っている2人を見たアナベル達は、直ぐ様ヒナイトとディランに駆け寄った
「早く逃げるぞ!」
「急げ!ここも危ない!」
ヒナイトとディランは、駆け寄ってきたアナベル達に、慌てた様子で伝えた
「「「「「「「何を言っ……嘘でしょ…」」」」」だろ…」」
2人の慌て様に、疑問を感じたアナベル達だったが、言葉を言い切る前に、王宮が横に真っ二つに斬られたのを見て、絶句してしまった
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