第167話 5人組の1人
~セイが国王の首を斬る前~
セイは広間の屋根裏で、死体に囲まれながらパーティーを見ていた
「う~ん、やっぱ屋根裏には、国王を護る為に何人か忍ばせているもんだな」
王宮に潜入していたセイは、国王を襲うことが出来る場所として、屋根裏に登ったが、そこには先に10人の護衛が隠れており、屋根裏に入って来たセイを見て、一斉に襲い掛かったが、セイは魔法や魔剣を使わず、クロスに準備をさせた、普通の鉄剣で素早く全滅させた
「しかし、この中には、ヒナイトが言っていた奴は居なかったな、普通ならここに、1人か2人忍ばせて置くんだがなぁ」
セイと戦った者達は、搦め手を得意とする者達であり、正面から戦う力がない者達だった
「さて、ここに居ないなら5人組は広間に居るのか?」
「…うわ~ヒナイト達も大変だな~」
セイは屋根裏から5人組を探していると、貴族達に擦り寄られ、嫌な顔を出さないようにしている公爵達を見つけた
「多分、ヒナイト達は、俺を探しているんだろうが、屋根裏居る俺を見つけるのは無理だな」
パーティーが進むにつれ、公爵達が貴族達を相手にしながら、焦って自分を探しているのを見ていたセイだが、自身は屋根裏から全く動かず広間を見ていた
「しかし…居ないな…もうすぐパーティー終わるぞ」
セイは、屋根裏から満遍なく広間を探していたが、ヒナイトから聞いていたモンズを殺せる程の力を持っている者を見つける事が出来ていなかった
「ちっ!仕方ない!国王を襲えば出て来るだろ!」
国王が広間を出る為に、歩き始めたのを見たセイは、5人組を探すのを諦め、動き始めた
「【風斬】…出て来いよ5人組!」
セイは【風斬】を使い屋根を斬り、5人組を警戒しながら、国王の首目掛けて剣を振り下ろした
「……はぁ?」
5人組を警戒していたセイは、振り下ろした剣が国王の首を断ち切った事に、一瞬思考が停止してしまった
「(ちっ!なんで5人組は出て来ないんだよ!国王を殺しちゃただろ!)…ん?」
「貴様!」
国王の首が斬れられ、貴族や騎士達の叫び声が広間に響き、セイが慌てていると、1人の騎士が【魔装】を使い、広間の外から一直線に、セイ目掛けて剣を振り下ろした
キッーン「(っ!こいつ少し強いな…)…へぇ~こいつがモンズを殺した1人だな」
「っ!・・・・・・・・・・・・」
振り下ろされた剣を【魔装】使い受け止めたセイは、騎士の強さを感じ、ヒナイトが言っていたモンズを殺した5人組の1人だと考え口に出した
セイの言葉に驚いた騎士は、後ろに下がり、無言でセイを睨みつけた
「「セイ様!大丈夫ですか!?」」
「ああ、大丈夫だ、それより気を付けろよ、直ぐに他の4人が来る筈だ」
セイから騎士が離れると、ヒナイトとディランが、慌ててセイの下へやって来た
セイがヒナイトとディランに忠告すると、2人は直ぐ様周りを警戒し始めた
「裏切ったなヒナイト!我らは昔、貴様に忠告した筈だぞ!?」
「っ、ああ、憶えているとも、兄を殺された日、貴様らに言われた言葉はな!」
セイを睨んでいた騎士は、ヒナイトのセイに駆け寄ったの見て、セイから目を外し、ヒナイトを睨み付けた
睨みつけられたヒナイトは、兄を殺された日を思い出しながら、憎悪が宿った目で騎士を睨み付けた
「「「「ヒナイト…」」」」
ヒナイトの表情を見た、アナベル、ディラン、サーチェ、アティアは、悲しい表情でヒナイトを見た
「ふっ、それで今更復讐を始めたのか?くだらん」
「はっ!今更復讐など考えてないな!だがお前達が死ぬのは嬉しい事だ!」
ヒナイトに憎悪が宿った目で睨まれていた騎士は、ヒナイトを見下して話していたが、ヒナイトも騎士を挑発するように話した
「貴様…死ね!」
ヒナイトの挑発に乗った騎士は、ヒナイト目掛けて剣を振り下ろした
「お前がな!」
「ぐっ!…くっ」
剣を振り下ろされたヒナイトと変わるように前に出たセイは、騎士が剣を振り下ろす前に、騎士の横腹を剣で斬った
セイに斬られた騎士は、傷を押さえながら後ろに移動し、膝を着いた
「今度はこっちからだ!死ね!」
騎士が膝を着いたの見たセイは、騎士の首目掛けて剣を振った
キッーン「ちっ!…くっ!」
セイの剣が、騎士の首を斬る直前、4人の男が現れ、1人の男がセイの剣を受け止め、1人がセイを蹴り飛ばした
「「セイ様!」」
蹴り飛ばされたセイの下に、ヒナイトとディランが駆け寄った
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