第164話 会合終了



クロスの案以外の方を、全員で考えていたが、1時間立っても他の案が出なかった


「(う~ん、仕方ない、公爵達には酷だが、クロスの案で行くしかないだろう)」


「セイ様」


「ん?どうしたディラン?」


セイがクロスの案で行くこと頭の中で考えていると、ディランがテーブルに手をつき立ち上がった



「これ以上考えても、クロス殿の案以外の方法が出てきません、家臣としては心苦しいですが、クロス殿の案で行くしかないでしょう」


「「「「「「ディラン…」」」」叔父様…」」


ディランの言葉に、他の者達は、顔を曇らせて、ディランを見た



「そうだな…俺もそう思っていた所だ」


「「「「「「「セイ様…」」」」」」」


セイの言葉に、ディランを見ていた者は、顔を曇らせたまま、申し訳なさそうにセイを見た


「そう暗い顔をするな…家臣としては、俺の身の安全を考えれば、許可出来ないだろうが、俺なら大丈夫だから気にするな」


「「「「「「「はい…」」」」」」」


公爵達の表情を見たセイは、心配させない為に、優しい笑顔を浮かべながら話したが、公爵達は自身の不甲斐なさを痛感していた



「(う~ん、かなり落ち込んでるな…ここはなんとか安心させないと)…そう落ち込むな…ハーデスは!敵に死神と異名をつけられ!味方からは護り神と崇められた!歴史上最も敵に恐れられ!最も味方に称えられた一族だぞ!」


「「「「「「「っ!我らが守護神、ハーデスに不可能ない!」」」」」」」


公爵達を安心させる為に、セイは立ち上がり、冥王から聞いていた、ハーデスが過去に呼ばれた名を力強く伝えた


セイの言葉に、自分達の先祖の記録を思い出した公爵達は、セイに続くように立ち上がり、不安を打ち消すかの様に、力強く声を出した



「(うっ…その言葉、冥王様から聞いていたけど、実際に言われるの、凄い恥ずかしいし、凄いプレッシャーなんだけど…)」


公爵達の言葉に、セイは恥ずかしさで頬を軽く赤く染め、プレッシャーで顔を軽く引き攣らせた



クロスの案で行く事にしたセイ達は、どのタイミングで仕掛けるなど、細かい所を話し合い、その日の会合を終わらせた




「ふぅ~やっと終わった~」


「クロス…お前、そんなに疲れることして無いだろ」


「うっ、そんな事ないですよ?」


会合が終わると直ぐに、クロスが疲れた様子で、テーブルに伏せたが、セイは、冷ややかな目でクロスを見ていた


「いや、お前は絶対に疲れてない…案が決まってから、何も言わず座っていた男が、疲れるなんてこと有り得ないだろ」


「それは…えっと…その…あれだ…座っている間も、ずっと頭の中で考えていたから疲れたんだよ」


セイに責める様な目で見てられたクロスは、目を泳がせながら言い訳をした


「はぁ~まあいい…これから忙しくなるから、クロスには沢山働いてもらうぞ?」


「えぇ~マジかよ…」


セイの言葉に、クロスは嫌そうな顔になった





セイとクロスが話している間、ガイラとアルフェスは、デニスとアルカに会う為に部屋を出て行き、それに続くようにアルフェス、ディラン、サーチェ、アティア、アナベルは、部屋を出て廊下を歩き始めた


「なぁ?ディラン、アティア…デニスとアルカに説教するのは大切だろうが、短めにしておけよぉ?」


「ちっ、そんなことは、ヒナイトに言われなくとも、ちゃんと分かっている!」


「そうよ、ただでさえ忙しくなるのに、説教なんかで時間を無駄にしないわよ!」


ヒナイトは、ディランとアティアの肩に手を置き、煽る様な言い方で、ディランとアティアに忠告した


ヒナイトの言葉に、ディランとアティアは、イラッといた表情を浮かべ、ヒナイトを軽く睨みながら答えた


「ふふ、相変わらずね、あの3人は」


「ふふ、そうね」


ヒナイト、ディラン、アティアの少し後ろを歩いていたサーチェとアナベルは、昔から変わらない3人を懐かしそうに見ていた





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る