第163話 5人組を引っ張り出す方法



「「お待たせしましたセイ様」」


セイ達が話していると、暫くしてから、ディランとアティアだけが、部屋に戻って来た


「あれ?デニスとアルカはどうしたんだ?」


「愚息達は動けなくなったので、私とアティアだけが戻って来ました」


デニスとアルカが戻って来ない事を、疑問に思ったセイが理由を聞くと、ディランとアルカは、爽やかな笑顔を浮かべながら答えた


((((((((っ!絶対に最初から戻ってこさせる気無かったな!))))))わね)


2人の笑顔を見た全員は、何をしたか分かり、顔を引き攣らせた



「そ、そうか、ならデニスとアルカには、これから話す内容を、後で伝えておいてくれ」


「「分かりました!」」


セイが、顔を引き攣らせながら伝えると、ディランとアルカは笑顔で答えた




2人の笑顔に、全員が引いていると感じたセイは、場の雰囲気を変えるために、話を進め始めた


「よし!なら、トーカス王家を滅ぼす方法を話すぞ!」


「「「「「「「っ!分かりました!」」」」」」」


引いていた者達は、セイが雰囲気を変えようとしているのが分かり、素早く返事をした



場の雰囲気が変わり始めたのを感じたセイは、トーカス王家を滅ぼす方法を話し始めた


「さて、トーカス王家を滅ぼすには、トーカスの英雄モンズを殺した5人組を引っ張り出す必要がある、それは分かるな?」


「「「「「「「はい!」」」」」」」


「その5人組が、トーカス王家の命で動いている事を考えると、必ずパーティー最中は、国王の近くにいると俺は考えている」


「成る程…確かに国王を護るためには、近くに居る必要が有りますから」


「そうですね、私なら、最低2人は近くに控えさせつつ、残りの3人を会場内に隠れさせますわね」


セイが5人組についての考えを話すと、ディランは納得を示し、サーチェは自身の考えを話した



「では、5人組を引っ張り出す為には、国王に危険にさらす必要がありますね」


「そうだね、多分何かしらの変装をしているだろうから、国王に命の危険が無いと出て来ないだろうね」


セイ、ディラン、サーチェの話を聞いていたアティアとヒナイトは、5人組を引っ張り出す方法を話した



「そうだ、5人組を引っ張り出すには、国王の命が危険な状況を作る必要がある」


「しかしセイ様、国王の命が危険な状況など、そうそう作れるものでは…」


「「「「「「そうね…」」」だな…」」」


ディランの言葉で、全員が悩み始めた




「あの~」


全員が、国王の命の危機をどう作るか考えていると、ずっと静かにしていたクロスが恐る恐る手を上げた


「なんだクロス、いい方法でもあるのか?」


「いい方法かは分かりませんが、セイさんなら、多分成功させられると思います」


「「「「「「「本当か!?」」」」なの!?」」」


クロスの言葉に、悩んでいた公爵達は一斉にクロスを見た



「えっと…あの…」


「クロス、取り敢えず成功するかどうかは置いといて、お前が考えた方法を話してくれ」


公爵達に、一斉に見られたクロスは、緊張していまい、それを見たセイは、優しくクロスに声をかけた



「すぅ~はぁ~、自分が考えた方法は、パーティー当日に、暗殺者に扮したセイ様が城に潜入して、国王の命の狙うって方法です」


「「「「「「それは…」」」」」」


クロスの考えを聞いた公爵達は、どう反応すればいいか分からず、顔を見合わせた


「(う~ん、俺も最初はそれが良いと思ってたんだけど、サクアに反対されてんるんだよなぁ…それに公爵達も、絶対に反対すると思うし…う~ん、他に方法はないのか?)」


公爵達が顔を見合わせている間、セイは他の方法を考えていた



           (小声)

「あの、セイさん?」


「ん?なんだ?」


クロスは、全員の反応に不安を覚え、隣に居るセイに小声で相談し始めた


「俺の案って何処が悪かったのか?全員、賛成も反対もしないから、自信無くなってきたんだけど」


「ふふ、それは違うぞ、多分だが俺の身を案じているせいで、何も言えないんだろ」


「セイさんの身を案じる必要っているのか?」


セイの言葉に、クロスは、公爵達の考え分からず、セイに理由を聞いた



「当たり前だろ、ここに居る者達からしたら、俺はずっと待っていた正統な王族だそ?家臣からしたら、危険な行動はしてほしくないんだろ」


「あ~成る程、家臣からしたら俺の案は出来ればやってほしくないか…う~ん、他の案を考えないとな」


セイの言葉に、クロスは頭をかきながら、新しい案を考え始めた






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