第162話 公爵家の自己紹介
(はぁ~仕方ない、この雰囲気に合わせるか)
公爵家の者達に、手を胸に当てながらお辞儀をされたセイは、この会合が堅苦しい形で進む事にショックを受けつつ、諦めて公爵達に合わせる事にした
「…うむ、ハーデス王国が滅びた後もなお、我らハーデスに忠誠を誓っている事はディカン家の者達から聞いている。よく何千年もの間待っていてくれた。ハーデス王家子孫として礼を言う」
「「「「「「「「っ!いえ!ハーデス王家の家臣として当たり前の事をしたまでです!」」」」」」」」
セイの言葉に、感動した公爵達は涙を堪えながら返事を返した
「では、全員座ってくれ。」
「「「「「「はっ!」」」」」」
「それでは、自己紹介の続きをしてくれ。俺はディカン家の者は知っているが、他の公爵達の名前は聞いてないからな」
「分かりました、ではまずは私から自己紹介させていただきます。」
「分かった、ではお前から順番に自己紹介してくれ」
「分かりました」
セイが立っていた全員を座らせ、自己紹介を求めると、ディランが手を上げ自身が最初にすると声を上げた
「…ハーデス王国、ディラン伯爵子孫、、ディラン ローパと申します」
「息子のデニス ローパです」
「…ハーデス王国、トルティ伯爵子孫、サーチェ トルティと申します」
「息子のガイラ トルティです」
「…ハーデス王国、リルカサ伯爵子孫、アティア リルカサと申します」
「娘のアルカ リルカサです」
公爵達は、1人1人立ち上がり、セイにお辞儀をしながら名を名乗った
「(…ローパ家、トルティ家、リルカサ家、全て城の図書館の有った資料に書いてあった名前だな)…よし覚えた。これからも、ハーデス王国家臣として、よろしく頼む」
「「「「「「「はっ!」」」」」」」
セイの言葉に、クロス以外の全員が頭を下げ、返事をした
「さて、ディカン家以外の者達は、この会合で何を話すかは、ディカン家の者達に、聞いているな?」
「「「「「「はい、聞いております!」」」」」」
「では、トーカス王家をどう滅ぼすかは、聞いているか?」
「「「「はい!聞いております」」」」
「「いえ!聞いておりません」」
セイの質問に、公爵当主達とアルカは、聞いているとと答え、デニスとガイラは聞いてないと答えた
「「「「「「ん?」」」」」」
答えた後、全員が不思議そうに、顔を見合わせた
「どういう事だ?何故デニスとガイラだけが聞いてない?」
「あの~」
セイが、デニスとガイラだけが知らないことに疑問を覚え、理由を聞くと、アルフェスが恐る恐る手を上げた
「どうしたアルフェス」
「もしかしてですが、ディラン叔父様は、家出していたデニスに説教をしていた為に、伝え忘れたのではないでしょうか?」
「っ!・・・・・・・・セイ様!申し訳ありません!アルフェスの言う通り、伝え忘れていました!」
アルフェスは、自信なさげに、デニスが知らない理由を話し始め、それを聞いたディランは、王都でデニスに会ってからの事を思い出し、伝えて無いことをセイに謝った
「(デニスの奴、あの時は家出していたのか)…気にするな、家出したデニスが悪い」
「ありがとうございます!」
「…それでデニスが知らない理由は分かったがアルカは何故だ?」
「多分ですが、娘は忘れているだけかと」
(((((((怖!)))))))
セイが、アルカが知らない理由を聞くと、アティアがアルカを目が笑ってない笑顔で見ながら答えた
「…そ、そうか、ではアティアとディランは2人に説明してやってくれ」
「「分かりました!」」
セイはアティアの顔にビビリながら、ディランとアティアに説明するように伝えた
セイに言われた2人は、直ぐに動き、デニスとアルカを連れ部屋を出て行った
「「「「「「「ふぅ~」」」」」」」
4人が部屋を出て行くと、アティアの顔にビビっていた全員が息を吐いた
「なにあれ、凄い怖かったんだけど」
「そうだな、人の顔で恐怖を感じたのは初めてだ」
「あれは、アティアが本気で怒った時に出る顔です」
クロスとセイが話していると、アナベルが目が笑ってない笑顔の理由を伝えた
部屋に残った、サーチェ、アナベル、アルフェス、ガイラ、ヒナイト達は、アルカとデニスについて話し始めた
「アルカちゃん、会合が終わったら、アティアに半殺しにされるわね」
「セイ様の前でリルカサ家に恥を晒したのは不味かったわね」
「アルカも心配だが、俺はデニスの奴が心配だな」
「どうしてだ?あれは伝え忘れたディラン叔父様の失敗だろ?」
「ガイラ、それは違うぞ、元々は家出ばかりしているデニスが悪い」
「成る程、デニスが家出しなければ、伝え忘れるなんて事は起きなかったと?」
「ディランはそう考えるだろうな」
「…これは会合が終わったら、2人共説教だな」
「(…デニスとアルカのお陰で、堅苦し雰囲気が無くなったな、出来ればこの雰囲気まま会合を進めたら良いな…)」
セイは、ヒナイト達が、話しているのを見ながら、4人が戻って来てからの事を考えていた
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