第159話 パーティー前日
セイが宰相に会いに来てから、10日が過ぎた。セイは、10日の間王都を観光しながら、公爵家が揃うのを待っていた
「ん゙~今日はいい天気だな」
「そうですね、ここ最近では、一番天気の良い日かと」
朝からセイは、ダグラと共に宰相宅の庭を散歩していた
「それにしても、まさか、パーティー前日に話し合う事になるとは、思ってなかったな」
「仕方ありませんよ、今回のパーティーに出席する予定が無かった公爵もいたので」
「普通、公爵が王家主催のパーティーに出席しないって、あり得ないだろ」
「そうなのですか?毎年、必ず1つの公爵は出席しませんよ?」
「…それって、公爵が王家を信用して無いっていう証拠でしょ」
「信用して無い?セイ様、どうして、そう思うんです?」
ダグラは、セイが言った、王家を信用して無い証という言葉に疑問を感じ、理由を聞いた
「簡単だよ、もし王家が、パーティーで公爵家に何かしたとしても、出席しなかった公爵が、必ず助けることが出来るよう、絶対に公爵家が揃わない様にしている…そう考えれば、必ず1つの公爵がパーティーに出ない理由に説明がつく」
「っ!成る程!だからセイ様は、公爵が王家を信用していないと考えたんですね!」
「そういう事…多分だが、昔からそうする事で、王家に不審がられないようにしているんだろ」
「流石はセイ様です!パーティーに出ないって情報だけで、よくそこまで考えれますね!」
「まぁ、憶測だけどな(なんかダグラとクロスって、宰相の部下なのに、裏を読む力が弱くないか?一緒に行動するの少し怖いんだけど)」
セイは、ダグラとクロスが、裏を読む事が出来ないことに、不安を感じていた
「憶測ですか…私は正解だと思いますけど」
「まぁ、正解かどうかは、今日の昼に集まった時にでも聞いてみれば分かるさ」
「それもそうですね」
その後も、セイとダグラは、色々な話をしながら、ゆったりと散歩をした。
「セイ様、そろそろ散歩を止めて、集まりの準備した方が」
「そうだね、お腹も空いてきたし、ご飯を食べてから、ディカン家の屋敷に向うか」
「では、屋敷に戻りましょう」
屋敷に戻ったセイは、屋敷のダイニングに向かい、先に居たサクアとクロスと共に、食事をし始めた
3人で食事をしていると、サクアがセイに話しかけた
「セイ様、公爵達と会うのは、今日ですよね?」
「ああ、ディカン家の屋敷で集まるらしい」
「では、私のことは公爵達には、秘密でお願いします」
「ん?どうしてだ?」
「もしも、公爵家の配下に、王家の間者が居た時の保険として、私の存在は秘密の方が良いかと」
「ん~そうだな、大丈夫だと思うが、一応保険として黙っておくか」
サクアの話を聞いたセイは、少し悩んだが、その方が良いと思い同意した
「それで、公爵達の会合には、クロスを連れて行ってくれませんか?」
「ん?クロスを連れて行った方が良い理由でもあるのか?」
「はい…今回のや作戦が上手く行けば、私は林王様の下へ帰ることになります、そうなった時の為に、次の宰相を決めておきたいのです」
「…サクアは、クロスを次期宰相にするつもりなのか?」
「はい、私の部下の中では、一番民の為に働く事が出来るので」
「ん~しかしクロスは抜けてる所があるぞ?」
「それは少し不安ですが、他の部下が助ければ大丈夫だと思います」
「サクアがそう言うなら、次期宰相として連れて行くか」
「ありがとうございます…クロス、分かりましたね」
「ん?何がですか?」
「「・・・・・・・・・・・・」」
サクアが、クロスを会合に連れて行く様にセイに頼んでいる間、クロスは、食事に夢中で、一切話を聞いていなかった
ブチッ「クロス!貴様!そこに座れ!」
「は、はい!」
そんなクロスにブチギレたサクアは、クロスを床に正座させ、説教をし始めた。
ブチギレたサクアに、恐怖を感じたクロスは、大人しく正座をして、恐怖で身体を震わせながら、説教を聞いた
「貴様という奴は、今日という今日許さんぞ!どうしていつも、ちゃんと話を聞かんのだ!」
「・・・・・・・・」
「それに、何度同じ失敗すれば治るだ!」
「・・・・・・・・」
「返事はどうした!ちゃんと聞いているのか!」
「…は、はい!聞いています!」
「(クロス…やっぱり何処か抜けてるな、本当に連れて行って大丈夫なのか?)」
サクアがクロスを説教している間、セイは、クロスを連れて行く不安を感じながら、食事を食べ進めた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます