第147話 ハメられた理由
セイとクロスは、朝早くから準備をして、王都に向けて歩き始めた。暫く道を歩いていると、クロスがセイに話を聞き始めた
「なぁ?セイさん」
「何だ?」
「王都に着いたら何をするんだ?」
「そうだな、ハンターとして生活をしつつ、王家が隠している戦力を探す」
「王家が隠している戦力って何だよ!俺は聞いたこともねぇぞ!」
「俺もヒナイトから聞いた話だが、トーカスの英雄と呼ばれた、モンズ ディカンを殺した5人組がいるらしい」
「はぁ!?なに言ってだよ!モンズ ディカンは病死だろ!」
「それが違うらしい、ヒナイトが言うには、王家がモンズの名声と人気を恐れて殺害したらしい」
「あの英雄の殺せる奴が、王家に仕えてるなんてあり得ねぇ」
「だが事実だ、ヒナイトは兄が殺される所を見ていたんだからな」
「なら、なんでディカン家は、ヒサカ様を王妃に出したんだ?普通は兄を殺した奴の所に娘を嫁がせないだろ」
「ヒサカが望んだからだろ」
「ヒサカ様が望んだ?何か目的があったのか?」
「へぇ~流石は文官だな。その通りだ、ヒサカは王家の中から、人類至上主義の考えを変えようとしていた」
「なるほどな、ヒサカ様なら、そのぐらい事を考えそうだ」
「まぁ、それは無理だと諦めて、滅ぼす事にしたんだけどな」
「そうだな、中から変えようとしても、裏では、人類至上主義を無くさない様、動く奴が必ず現れるからな」
「っ!クロスお前、本当に頭が切れるな。そんなお前が、何故簡単にハメられたんだ?」
セイは、クロスの頭の切れに驚き、何故簡単にハメられたのか、クロスに聞いた
「うっ、仕方ねぇだろ、まさかあのクソ野郎が、俺をハメるなんて、考えてもなかったんだから」
「まぁ、普通は役職が違う近衛騎士団長が、宰相直属の文官をハメるなんてことは、まずしないからな」
「そうなんだよ、普通俺をハメる人間は、同じ文官ぐらいの筈なんだよ、なのに近衛騎士団長が、いきなり俺をハメにきたから、簡単にハメられたんだよ」
「ん~もしかしたら、文官の誰かが近衛騎士団長と手を組んで、お前をハメたんじゃないか?」
「あり得ねぇ事もねぇけど、あのクソ野郎は,周りからすげぇ嫌われているんだよ、そんな奴と手を組む奴は、城に居ない思うんだけどなぁ」
「なら宰相はどうなんだ?お前恨まれるような事したんじゃないのか?」
「いや、宰相には、恨まれるどころか、文官の中で1番気に入られてたぞ」
「もしかして、それが原因で他の文官にハメられたんじゃないのか?」
「うっ、無いとは言い切れねぇな、他の文官には宰相のお気に入りって事で、嫌われてたし」
「お前、頭は切れるけど、変な所が抜けてるな」
「し、仕方ねぇだろ!貴族の裏取引なんて、平民出身の俺が分かるわけないだろ!」
「それでよく、宰相直属の文官になれたもんだな」
「それは宰相のお陰だ、あの方が新米だった俺を態々部下に迎え入れてくれたんだ」
「はぁ、絶対にそれもハメられた原因の1つだろ」
「それは無いな!」
「どうしてそう言い切れる?」
「宰相は他にも平民出身の文官を部下に迎え入れていたからだ」
「でもお前は、その中で1番のお気に入りなんだろ?」
「ああ!俺が1番の…っ!」
「はぁ、ようやく気付いたか、1番のお気に入りって事は、1番邪魔な存在でもあるんだぞ」
「っ!クソ!誰だ!誰が俺をハメた!?こんな所を歩いてなんていられねぇ、セイさん走っていくぞ!」
「あっ!おい!まだ無理だろ!おい!」
クロスは、セイの言葉を無視して、王都に向かって走り出した
「はぁ、仕方ない【魔装】!クロスおぶってやる!後ろに乗れ!」
「セイさん!ありがとう!ちょ!早い!どうなってんだ!」
セイはクロスを背負い、一気に道を走り出した
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