第144話 商人デニス
「えっと、この道を右に行けば、王都に行けるんだな」
都市ディカンを出発したセイは、地図をみたがら、王都に向かっていた
「…マジで、看板ぐらい置いとけよ、別れ道の度に、止まらなきゃいけないだろうが」
「ん?商人か?」
セイが、【魔装】を使い、道を進んでいると、道の先に、3台の馬車が道の横で、止まっているのが見えてきた
「…何であんな所で止まってるんだ?馬車でも壊れたのか?」
セイは、走るスピードを落としながら、馬車に近づき、馬車の近くにいる人達に声を掛けた
「…どうかしたのか?」
「「「「っ!」」」」
「何者だ!」
セイが声を掛けると、護衛らしき男が、直ぐ様剣を抜き、セイを警戒した
「俺は、旅をしているセイと言う、そちらは?」
「私は、商人のデニスと申します」
「旦那!」
「いいから下がってなさい、私が彼と話すよ」
「分かりました」
セイが自己紹介をすると、護衛の後ろにいた男が、前に出て自己紹介をした
「…それで、どうしてこんな所に、馬車を止めているんだ?」
「それが、お恥ずかしい話、昨日道を間違えてしまい、ここで野宿をしていたのです」
「そうなのか、それは大変だったな」
「セイさんは、旅をしているんですよね?目的地はあるんですか?」
「一応、王都を目指している」
「そうなんですか!私達も王都に向かっているので、よければ、ご一緒にしませんか?」
「…いや、辞めておくよ」
「そうですか、道中、旅の話でも聞けるかと思ったのですが」
「すまないな、もし次に機会があれば、その時にでも」
「では、楽しみにしておきます」
「ああ」
商人達と別れたセイは、また王都に向けて走り始めた
~セイ~
(…あの馬車の者達、絶対に商人じゃないだろ…あの護衛の仕方は、多分騎士だな、つまり、デニスは貴族の可能性が高いな…王都で会うかもな)
~デニス~
(あの者、絶対に、ただの旅人じゃないな…何処か気品を感じた、確実に王族か貴族の血筋だな…王都で会いたいものだな)
セイとデニスは、2人共が、相手の嘘を見破り、似た事を考えていた
~ディカン家~
セイが、王都に向けて、都市ディカンを出発した次の日、首都ディカンの領主の館では、ヒナイト、アナベル、アルフェス、ヒサカの4人が、執務室で話し合いをしていた
「…アルフェス、お前は、この手紙を、ローパ家当主に渡しに行きなさい」
「私がローパ家に行くんですか?」
「仕方ないだろ、ヒサカはトルティ家、アナベルはリルカサ家、2人にも、それぞれ行ってもらわねば、ならんのだから」
「なら、私がリルカサ家に行きますよ」
「あら、アルフェスは、私にローパ家に行けと言うのですか?」
「はい、母様が行った方が話しやすでしょう…ローパ家当主は母様の幼馴染なんですから」
「昔から知っているから、嫌なのよ…会う度に、ムカついて叩きたくなるもの」
「はぁ、仕方ないですね、私がローパ家に行きますよ」
「よろしくね」
「では、手紙の件は決まりだな…次は2ヶ月後の、王家主催のパーティーについてだ」
「私は、王妃なので、出るしかないですけど、お母様やお父様は、今年は出席するのですか?」
「嫌だが、出るしかないだろう」
「そうね、出来れば一度、公爵全員で話し合いをした方がいいでしょうし」
「そうですよ、セイ様の作戦通りに進める為にも、一度集まった方がいいですよ」
「…分かってはいるのだがな、あの3人に会うのは、疲れるから嫌なんだよ」
「ふふ、頑張りましょうあなた…私もリルカサ家に行ってから、一緒に王都に向かうから」
「そうだな、アナベルがいれば頑張れそうだよ」
「私もよ」
「アナベル…」
「あなた…」
((またですか、勘弁してください))
ヒサカとアルフェスは、2人がイチャつき出したのを見て、静かに、部屋を出て行った
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