第141話 アナベル


口を滑らせたヒサカは、ヒナイトとアルフェスの2人に、セイに、助けられてからの、話の内容を包み隠さず話した


「…つまり、セイ様は、ハーデス家の一族だと?」


「はい、そう言いました」


「…知らずとはいえ、数々の無礼をお許しください」


アルフェスとヒナイトは、セイの本名が、セイ フォン ハーデスだと知り、直ぐにセイの前に行き、跪いた


「…気にするな、俺がお前達の人柄を知りたくて教えなかっただけだ」


「「はっ、ありがとうございます」」


「それにしても、ディカン家の者は、少し思い込みが激しいな、敵に付け込まれる可能性があるから、気を付けた方がいいぞ」


「お恥ずかしい話、昔から他の者達に、よく言われます」


「そうなのか?」


「はい、父も祖父も一族全員が、思い込みが激しいので、しっかりと対策しております」


「へぇ~やっぱり歴史が長い一族は、ちゃんと対策してるんだな」


「やっぱりと言うと、他にも対策をしている一族がいるのですか?」


「ああ、ハーデス家にも、対策があるからな」


「…もしや、ハーデス王家名物と言われた、強制戴冠式ですか?」


「多分そうだが、そんな言われ方をされていたのか?」


「はい、一族の記録には、ハーデス家を継ぐ者が決まると、一族全員で、嫌がる次期国王様に、無理矢理戴冠させる為に、次期国王対ハーデス家全員の闘いが起きると、書いてありました」


「…記録に残るほど、同じ事を繰り返したんだな」


「国王が変わる度に、起きてた事なので、仕方ないかと…」


「まぁ、そうだな、俺も他に候補が居たら、国王になる気は無いからな」


「それは…」コンコン


セイとヒナイトが、話していると、ドアをノックをする音が聞こえた


「貴方、アナベルです、ヒサカが帰ったと聞き、こちらに来たのですが」


「誰だ?」


「私の妻です、中に入れても?」


「いいぞ」


「では失礼して、アナベル入っていいぞ!」


ガチャ「失礼します…あら、こちらの方は?」


セイの許しを得て、ヒナイトがアナベルを部屋に入れると、入って来たアナベルは、セイを見ながら、誰なのかをヒナイトに聞いた


「…こちらは、ヒサカを助けていただいた、セイ フォン ハーデス様だ」


「そうでしたか、娘を助けていただき、ありがとうございます」


「気にするな、たまたま近くを通っていただけだ」


「それでも、ヒサカの母として感謝します…それで何を話していたのですか?」


「丁度いい、アナベルも交えて、トーカスを滅ぼす話をしよう」


「なっ!セイ様何を言って「そうですね、話が大分ズレてしまいましたが、本来の話に戻しましょう」…貴方?」


「アナベル、ちゃんと説明するから」


ヒナイトは、アナベルを椅子に座らせ、ヒサカの決意、王家が隠している戦力、セイの話し、全てをアナベルに話した


「…なるほど、分かりました、国を滅ぼすのは、ヒサカの為に賛成するしかないわ」


「アナベル!」「お「母様!」」」


「反対しても仕方ないでしょ、何もしなければ、ヒサカの命が危ないのですから」


「お母様、ありがとう!」


「ヒサカ、大変だと思うけど、力を合わせて頑張りましょう」


「はい!」


アナベルの言葉を聞き、ヒサカは涙を流しながら、アナベルに抱きついた


「…なら、国を滅ぼす為の、具体的な話をしていくぞ」


「「「「はい!」」」」


セイ、ヒサカ、ヒナイト、アナベル、アルフェスの4人は、夜遅くまで作戦を話し合った



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