第123話 セナのお説教
その日、首都ロイでは、ハーデス家に新たに産まれたレイ フォン ハーデスの誕生を祝い祭りが開かれた
首都にいる魔獣達は、レイの誕生と一緒に発表された、魔獣を人に戻す事が出来る様になったことを聞き、大いに喜んだ
レイの誕生を祝う祭りは、1ヶ月続き、終わる頃には、道のあちこちで、酔っ払って寝ている魔獣達がいた
そんな魔獣達を、セイは城の尖塔から見ていた
「うわ~これは酷いね…最低でも200人が道で寝てるよ」
「…それだけ、レイの誕生と、魔獣から人に戻れる事が、嬉しいんじゃろう」
「ん?冥王様来てたんだ」
「少しセイに用があってのぅ」
「…まさか、シスターと母様に、なんか言われた?」
「うむ、セイが、セナとマーサに怒られて、2人がいない所で、レイの面倒を見ることを禁止されたのは聞いたぞ」
「あれはレイも喜んでたよ、なのに禁止するのは酷いと思うね」
「いや、いきなり【魔足】で散歩は駄目じゃろう」
「でも、俺はちゃんと安全に気を付けて、魔力で保護してたのに、母様とシスターが凄い怒ったんだよ」
「それは普通に怒るじゃろ、せめて1歳過ぎてからやるべきじゃ」
「…1歳でも駄目よ!」
「っ…母様」「っ…セナ」
「セイも冥王様も、子供の散歩で、空に連れて行くなんて危険すぎよ!」
セイと冥王が話していると、セナがやって来て、セイに説教をし始めた
「…でもレイは凄い喜んでたよ?」
「何言っての!まだちゃんと目が見えてないレイが、喜ぶわけないじゃない!」
「それはそうだけど、多分風を感じてたんだよ、だから喜んでたんだよ」
「それでも、空の散歩は危険でしょ!もしレイが怪我をしたらどうするの!」
「でも、ちゃんと魔力で保護してたから、大丈夫だったよ」
「それは何も無かったから、大丈夫だっただけで、もし魔物に襲われたら、両手が使えない状態で、レイを庇いながら戦えなかったでしょ!」
「その時は、全速力で逃げるから、大丈夫だよ」
「本当に分かってないのね!少しでも危険がある事を、レイにしないでって言ってるのよ!」
「うっ、分かったよ…これからは何かする時は、母様とシスターに言えばいいんでしょ」
「そうして頂戴、もし次に、レイに危険な事をしたら、2度と面倒を見させないからね!」
「…はい、分かりました」
「じゃあ、レイの下に行くから、セイはそこでちゃんと反省しなさい」
セイに説教をしたセナは、そのまま戻って行った
「…母様って、俺に何か用が有ったから来たんじゃない?」
「そうじゃな、セイに用が有って来たのに、儂とセイの話を聞いて、説教に変わったんじゃろうな」
「はぁ、後で聞いておくか…それで冥王様は、俺に何の用があるんでしょ?」
「そうじゃ、忘れておった、グロリアが、マーサの状態が、元に戻ったと言っておったんじゃ」
「なら、〈魔法薬〉を使って、魔獣を人に戻す実験をするんだね」
「そうじゃ、既にグリモアが準備しておる」
「なら、早く行かないと、次はグリモアが怒るかもね」
「そうじゃな、グリモアの奴、1ヶ月の間、ずっと待っておったからのぅ」
「それで何処でやるの?」
「訓練場じゃ、城の中じゃと、この前の時のように、また壊してしまうからのぅ」
「それもそうだね、なら先に行ってるよ!」
「あ!セイ!」
セイは尖塔から飛び降り、【魔足】を使い、空から訓練場に向かって行った
「…仕方ないのぅ、遅れてグリモアに怒られるのは御免じゃから、儂も空から行くとするかのぅ」
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