第115話 地下で眠る魔獣



セイ、セバス、冥王の3人は、マーサと合流して、診察室に向った


セイ達が、診察室に着くと、中でグロリアが慌ただしく準備をしていた


「なんだい、もう来たの…ん?坊も来たのかい?」


「すまんのぅ、今回ばかりは儂も気になってな」


「まあ、そうだろうね、マーサ様の魔法が成功すれば、坊の憂いが無くなるからね」


「そうじゃな、成功すれば、儂の憂いの1つ減るのぅ」


「なら、早く準備したいから、セバス、あんたは私の手伝いをしな」


「私がですか?絶対に嫌です!」


「何言ってだい!あんた以外、他に誰が私を手伝えるんだい!」


「ぐっ、はぁ、分かりましたよ、では、しっかり指示をしてくださいね」


「まだ、あの事を根に持ってるのかい」


「当たり前ですよ!昔、グロリアさんに言われて、手伝いをしたせいで、先代国王にどんな目に合わされたと、思っているんですか!」


「ほっほっほっ、懐かしい話じゃな」


「あれは、あんたが人の話を、ちゃんと聞かなかったのが、悪いんだよ」


「いえ!グロリアさんが、しっかり言ってくだされば、先代国王を怒らせることは無かったです!」


「違うね、私が言った言葉を、あんたが聞き間違えただけだよ」


「いえ!私はちゃんと言われた通りにしましたよ!なのに先代国王に怒られたのは、私だけだったんですよ!」


グロリアとセバスは、言い合いをしながら、準備を進めた


セイ、マーサ、冥王の3人は椅子に座り、2人の言い合いを聞きながら、準備が終わるのを待った



~城の地下~


グリモアは、1人地下へ続く階段を降りていた


グリモアが地下に進む度に、温度が少しずつ低くなっていき、最下層に着く頃には、白い息が出るほど、温度が低くなっていた


最下層に着くと、1つの部屋があり、その部屋の前には、1人の魔獣が警備をしていた


「ふぅ~ここは、相変わらず寒いのぅ」


「これは、グリモア様、今日はどのようなご要件でしょうか?」


「久しぶりじゃな、トゥデイ、今日は2人の魔獣を連れて行く」


「診察ですか?」


「いや、今日は試したい事があっての」


「そうですか、ではお入り下さい」


「うむ、いつもご苦労」


「いえ、これが私の仕事ですから」


グリモアは、トゥデイが開けた扉に入って行った


グリモアが入った、部屋の中には、数百人の魔獣がベットに寝かされており、それを2人の医者の見守っていた


「グリモア様、何かご用でしょうか?」


「確か、夫婦で寝ている者がいるじゃろ、その2人を連れて行く」


「分かりました、すぐに準備致します」


2人の医者は、すぐにグリモアが言った、夫婦を運べるように、1つのベットに乗せて、グリモアの前に連れて来た


「こちらの夫婦で、よろしいですか?」


「ご苦労、この夫婦で大丈夫じゃ」


「では、また何かありましたら、お呼び下さい」


夫婦が並んで寝ているベットを、受け取ったグリモアは、扉の前まで押して行き、トゥデイに診察室まで運ぶのを、手伝ってくれるようにに頼んだ


「トゥデイ、この2人を診察室まで運ぶのを手伝ってくれ」


「分かりました、では【浮遊】!」


トゥデイは魔法で、ベットとグリモアを浮かして、地下から上まで運んだ


上に着いてからは、廊下は押して運び、階段の度に魔法で浮かし、2人で診察室まで運んだ


グリモアが診察室に入ると、椅子に座ったセイ達と、準備が終わっても言い合いをしている、セバスとグロリアがいた


「なんじゃ、またあの事で、言い合いをしておるのか」


「グリモア戻ったか、ん?トゥデイも一緒に来たのか」


「お久しぶりです冥王様」


「うむ、挨拶は後じゃ、グリモアとトゥデイで、セバスとグロリアを止めよ」


「「…分かった」りました」


グリモアとトゥデイは、冥王に言われ、グロリアとセバスを止めに行った





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