第113話 忘れていた魔法



冥王に勝つことが出来たセイは、将軍達に頼み、格闘技と槍術を使う者達と、毎日朝から昼まで、模擬戦をし続けた


最初は、慣れない槍術に苦戦をしていたが、1週間もすると、将軍を圧倒する事が、出来る様になった


格闘技を使う将軍には、元々サラとの模擬戦をしていたお陰で、2日で圧倒する事が、出来る様になった


その日も、朝から将軍達と模擬戦をして圧勝していた、セイだが…


「…セイ様、強くなり過ぎです、これ以上私達と模擬戦をしても、意味がないと思います」


「う~ん、将軍の話も一理あるね」


「今のセイ様なら、鬼王と地王にいきなり襲われても、対応出来るはずです」


「そう?なら模擬戦は、今日で終わりにしよっか」


「それがよろしいかと」


「じゃぁ、皆これまご苦労さま、いい勉強になったよ」


「「「「いえ、こちらこそ勉強になりました」」」」


「「「「(やっと終わった)」」」」


セイが居なくなった訓練場では、将軍達が肩を叩き合いながら、模擬戦が終わったのを心から喜んでいた



セイは、訓練場をあとにし、廊下を歩きながら、これからの事を考え始めた


「(これで、鬼王と地王に闘いを挑まれても、大丈夫だと思うけど、母様には、まだ知られたくないんだよね)」


「(下手に知られると、子供が産まれる前に、旅に出る事になりそうだし)」


「(あっ!シスターの魔法の事があるじゃん、あれ出来るか、冥王様に相談してみよ)」


セイは、近くに居たメイドに、冥王がいる場所を聞き、テラスに居る事を聞いた


セイがテラスに行くと、冥王とセナが庭を見ながら、セバスが淹れた紅茶を飲んでいた


「おやセイ様、将軍達と模擬戦をしていたのでは?」


「してたけど、将軍にこれ以上模擬戦をしても、意味がないって言われてね」


「ふっ、あやつら、逃げたな」


「そうですね、これ以上セイ様に、負け続けるのが、嫌になったんでしょう」


「なら、旅に出ても大丈夫そうね」


「っ、いやまだ旅には出ないよ!やる事もまだあるんだから!」


「そうなの?」


「そうだよ、今日はその事で冥王様に、聞きたい事があったんだから」


「(セナは、孫が産まれると聞いてから、暴走気味じゃな、初孫が嬉しいのは分かるが、そろそろ止めねばな)儂に聞きたい事?」


「シスターの魔法で、やる実験について話しておこうかと思って」


「マーサの魔法?…「「あっ!」」忘れておった!」


「私もマーサ様の妊娠の話しで、すっかり忘れておりました」


「私もよ」


「それで、何が聞きたいんじゃ?」


「妊娠中に、魔法を使って、大丈夫なのか聞いておこうと思って」


「大丈夫じゃと思うが、一応グリモアとグロリアに聞いた方がいいのぅ」


「なら、グリモアとグロリアに聞きに行って来るよ」


「それでは、マーサ様の部屋に行くと、会えるかと」


「あの2人、シスターの部屋にいるの?」


「はい、診察をすると聞いております」


「なら、行ってみるよ」


セバスに、グリモアとグロリアの居場所を聞いたセイは、テラスから城の中に入り、マーサの部屋に向った


コンコン「シスター入るよ」


「いいわよ」


「あれ?サラとマイカさんがいない」


セイが部屋に入ると、ベットで診察を受けているマーサと、その横で見ているサーシャと、診察をしているグリモアとグロリアしかいなかった


「あの2人は、セナ様に診察結果を、教えに行きましたよ」


「なら、入れ違いだね」


「そうね、それでセイは、診察結果を聞きに来た訳じゃないよね?」


「それも聞きたいけど、実はシスターの魔法の事を、グリモアとグロリアに、相談したくて来たんだよ」


「「あっ!」」


「忘れてました、そういえばそれが、ここに来た目的でしたね」


「俺も、シスターの妊娠で、すっかり忘れててさ、さっき思い出したから、魔法を使っていいのか、冥王様に聞きに行ったら、グリモアとグロリアに、聞いたほうがいいって言われてさ」


「なるほど、それでここに来たんですね」


「なんだい、マーサ様の魔法で、何かしたいのかい?」


「儂も気になるのぅ」


「ちょっと、シスターの魔法で、魔獣を人に戻せるか、実験しようかと」


「「・・・・・・・・・・・・・・・・なんて?」」


「シスターの魔法で、魔獣を人に戻せるか、実験しようかと」


「「・・・・・・・・はぁ?」」





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