第111話 剣の修行



マーサの妊娠が分かってから1週間後、セイは街の外で、冥王と魔法無しで戦っていた


「げぇ!避けた!」


「お返しじゃ!喰らえ!」


「喰らうか!」


セイは木剣で、突きを放つが、冥王は避けながら、突きを放った


セイは、ギリギリで突きを躱し、慌てて後ろに下がった


「…冥王強すぎでしょ」


「セイも、よくその年で、ここまで強くなったものじゃ、【魔装】も儂と変わらぬぐらい使えておる」


「でも、身体能力が同じなら、勝負を決めるのは技量でしょ?」


「そうじゃ」


「俺は、セバスさんに、魔法を使えば、魔獣の王に勝てる可能性があるって言われたけど、剣の技量があれば、確実に勝てるようになるとも言われたからね」


「そうじゃな、セイは剣の技量さえ上がれば、魔獣の王に確実に勝てるな」


「なら、勝つ為に、剣の技量を上げるしかないよね」


「それで儂と闘い、技量を上げたいと思っておるんじゃな?」


「ある程度技量があるなら、自分より技量が上の人と、闘った方がいいからね」


「ならば儂は、全力で相手をしてやろう!掛かってこい!」


「上等!行くぞ!」


セイと冥王は、【魔装】を全力で使い、高速戦闘を始めた


セイは、冥王の攻撃を、ギリギリで避けたり、ガードしたりして、何とか攻撃を受けない様にしているが、セイの攻撃は、余裕で避けられ、当たりそうな攻撃は全て受け流されていた


~セナ、セバス視点~


闘い始めた2人を、城壁からセバスとセナが見ていた


「セイ様は頑張ってますね」


「剣の事は分からないけど、セイと冥王様では、技量にかなりの差があるのは分かるわ」


「冥王様は、剣だけで、魔獣の王と闘えるだけの技量がありますから」


「なら、セイでは冥王様には、勝てないわね」


「それは分かりません、少しづつですが、攻撃を避けるのが、早くなってきていますから」


「そうなの?私には最初と変わってないと思うけど」


「今は避けるのが精一杯ですが、後少しで剣で防御し始めるかと」


「あっ!防御したわね」


「しましたね、でも受け流しは出来なかったみたいですね」


「そうね、防御したせいで、地面に叩き落とされたわね」


「【魔装】を使い、地面から離れていたせいですね」


「…経験の差ね」


「セイ様は、才能があるが故に、苦戦をした事がないですから」


~セイ視点~


「(くっそ!ミスった!)」


セイは、冥王の攻撃に少しづつ慣れ始め、防御をしてみたが、足場がない状態で防御したせいで、地面に叩き落とされた


「甘いのぅ」


「俺が1番分かってるよ!今のは致命的なミスだ!」


「分かっておるなら、もう一度じゃ」


「言われなくとも!」


セイは、冥王に向かい袈裟斬りをするが、冥王はそれを受け流し、真向斬りをした


攻撃を受け流され、体勢が悪いセイは、真向斬りを横に避け、素早く体勢を整え、左逆袈裟斬りをした


セイの左逆袈裟斬りを、防御出来ないと判断した冥王は、後ろに下がり避けた


避けた冥王は、左逆袈裟斬りをして体勢が戻ってないセイに突きした


セイは冥王の突きを、剣で弾き、後ろに下がった


「…冥王様は、剣を弾いても体勢が悪くならないのが、本当に凄いよ」


「弾かれることを、ちゃんと考えておるからのぅ」


「いや、俺も受け流されたりする事を考えてるよ、でも少しは体勢が悪くなるんだよね」


「体幹の違いじゃな」


「はぁ、体幹も鍛えないとな」


「そうじゃな、では続きをするかのぅ」


「よし!行くぞ!」


セイと冥王は、暗くなるまで1日中闘い続けた




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