第110話 旅で会うべき者達



部屋を出たセイは、冥王と話す為に、テラスに向かった


テラスには、診察室から戻って来ていた、サラがおり、冥王、セバス、サーシャ、サラの4人でお茶をしていた


4人はテラスに戻ってきた、セイに、セナとの話を聞いていた


「…戻ってきたか、話はついたか?」


「はぁ、母様の、望み通りになったよ」


「では、セナ様とマーサさんが、子供を育てる事になったんですね」


「シスターもそれを望んだからね」


「マーサが望んだのか?」


「俺には、子育ては無理なんだって」


「それはそうじゃな、ハーデスの男で、子育てが出来た者はおらんからの」


「冥王様も、ルイ様の子育てをしようとして、奥様に戦力外通告を受けてましたし、セイ様もそうなるかと」


「そうなの?」


「…あの時の、妻の怒りは、今思い出しても、恐怖を感じる」


「はぁ、なら、怒られない為に、子育ては諦めるしかないよね」


「それが、よろしいかと」


冥王とセバスの言葉で、セイは渋々子育てを諦めた


子育てを諦め、拗ねながら紅茶を飲んでいるセイに、サラがこれからの事を聞いた


「それで、セイは旅に出るの?」


「ああ、シスターと母様に、俺の夢を叶えるついでに、ハーデス王国を、作る場所を探しながら、他国と人脈を築いて来いって言われたから」


「マーサとセナの言う通りじゃ」


「そうですね、それに魔獣の王達にも会うべきかと」


「そうじゃな、あの者達にも会うべきじゃな」


「…俺、魔獣の王には会う気は、無かったんだけど」


「セイに会う気がなくても、必ずあっちから会いに来るぞ」


「特に鬼王と地王は、必ずセイ様に闘いを挑むかと」


「あの2人は、『闘いこそ至高!命の削り合いが何より楽しい!』と、心から言う奴らじゃからな」


「…戦闘狂か、会いたくない人種だな」


「儂も余り会いたく無い奴らじゃ」


「会う度に、冥王様に喧嘩を売ってきますからね」


「それって、かなりヤバい奴らじゃん」


「そうじゃ、だから必ずセイも、喧嘩を売られるのぅ」


「はぁ、マジで会いたくないな」


「セイ、頑張って!応援してる!」


「ん?何言っての?サラも一緒に行くんだろ?」


「私は、シスターの側にいるから、行かないよ」


「…まさかとは思うけど、鬼王と地王の話を聞いて、会いたく無いから、行かないって、言ってるんじゃないよな?」


「っ…そんな事ないよ、元々シスターの手伝いをするって、決めてたの」


「なら、俺1人で旅に行けと?」


「セイなら1人でも大丈夫!」


「はぁ、分かったよ、俺1人で旅に出るから、サラはシスターの事を頼んだぞ」


「任せて!」


「ほっほっほ、セイも大変じゃな」


「本当だよ、ハーデス王国の建国の話が出てから、母様には面倒事全部押し付けられるし、シスターには子育てをせずに、旅に出ろって言われるし、サラには1人で行けって言われる、なんか1番大変な目にあってる気がする」


「懐かしいのぅ、儂も国王になる前に、同じ目にあったのぅ」


「そうなの?」


「嫌がる冥王様を、ハーデス家総出で、無理矢理国王にしましたから」


「冥王様も、国王にはなりたく無かったんだ」


「当たり前じゃ、王位を継ぐことは、一族の中で、1番の貧乏くじじゃった」


「なら、俺の子供も嫌がるよね?」


「そうじゃろうな、だが方法はあるぞ」


「どうやって?」


「セイが、沢山の子供を持てばよい」


「えっ…」


「それはいい考えです!100人以上いたハーデス家方が、今はマーサ様のお子様を入れても、4人しかいません!セイ様には一族の為に、沢山のお子様を作ってもらわなくては!」


「「「「…セバス」さん」」」


「っ、失礼しました」


「ハーデス家の為に、沢山の子供が欲しいのは分かったけど、もし全員が嫌がったら?」


「セイが、1番王に向いていると思う子を、指名すればよい、そうすれば、他の子達がその子を王にする」


「それって、もしかして」


「はい、冥王様が、国王になった時も、同じ方法でした」


「やっぱり」


「この方法が、ハーデス家には、1番あっておるんじゃ」


「でもそれって、これから、数多くの女性を口説く事になるんじゃ」


「そうじゃ、頑張るんじゃぞ!」


「セイ!頑張って!」


「「セイ様!頑張ってください!」」


「はぁ、なんか凄く気が重いよ」


冥王とセバスに、鬼王と地王の話と、沢山の子供を作るべきと、言われたセイは気が重くり、夜に歓迎会が開かれたが、セイは挨拶だけをして、部屋に戻り就寝した





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