第105話 太った?



食事が終わり、サラとサーシャは、セバスに案内され庭に降りて行き、他の4人は、テラスから庭を見ながら紅茶を飲んでいた


「ゔ~ん゙、久々に、ゆったりとした時間を過ごしているね」


「そうね、旅に出てからは、ゆったりとした時間はなかったもの」


「旅していると、休日も観光したくなっちゃうもんね」


「やっぱり、移動する時間が長いから街に着いたら、観光したくなっちゃうのよね」


「分かりかます、何も無い道を進んだ後は、街の賑わいが楽しそうに見えますから」


「そうなのか、なら今から街に観光しに行くかの?」


「絶対に嫌!」


「私も嫌です!」


「そんなに嫌なのか?」


「今、街に行ったら民達に囲まれて、凄い疲れるのが目に浮かぶもん」


「絶対にそうなるわね」


「そうかの?儂が街に行っても、そんなことにはならんがの」


「それは冥王様だからだよ」


「そうですよ、民からしたら私とセイは、何万年ぶりの、王家の人間なんですよ、一目見ようとかなりの民が集まります」


「…儂でも、それは嫌じゃな」


「「(やっぱり3人共、嫌がる理由がそっくり)」」


セイ達が、話していると、庭を見ていたサラがマーサを庭に連れて行くために、戻ってきた


「シスターも、庭を散歩しようよ」


「後じゃ駄目なの?今はゆったりとしていたいのよ」


「そんなんじゃ、いつまで立っても痩せる事出来ないよ」


「うっ、でも、ご飯食べたばかりだから、余り動きたくないのよ」


「そう言って、いつまでも動かないから、また太ったんでしょ」


「うっ、そうなのよね、ちゃんと食事を少なめにしてるのに、何故かまた太ったのよね」


「ん?何を言っておるのじゃ?マーサは太っておらぬじゃろ?」


「それが、お腹が太り始めたらしいよ」


「いや、マーサのお腹が大きくなっているのは、妊娠しているからじゃろ?」


「うっ、とうとう妊婦と間違えられる様になっちゃた」


「「「…冥王様…それは」」」


冥王は、女性陣から非難の目を向けられ、慌てて弁解した


「いやいやいや!お主達は気づいておらんのか!マーサは妊婦じゃぞ!」


「あれ?そういえば生理がきてない気がする」


「「「「・・・・えっ、えーーー!」」」」


「嘘でしょ!」


「マーサさんいつのまに!」


「…まさか」


「あら、良かったわね~私も嬉しいわ」


「なんじゃ、本当に気づいてなかったのか」


「シスター!相手は誰!」


「それは…ちょっと」


「何!言えない相手なの!」


「え~っと、その」


「相手はセイよ」


「「えーーー!」」「なにーー!」


「本当なの!」


「うっうん」


「セイ!シスターを襲ったの!」


「…覚えてないんだよね」


「はぁ?何言ってるのよ!そんな嘘で誤魔化せると思ってるの!」


「いや、本当に覚えてないんだよ」


「どういう事よ!」


「ふふ、セイが15歳の誕生日の日よ」


「「っ!あの酔った日に!」」


「朝起きたら、シスターが横で寝てたんだよ」


「私は、全部覚えてたから、知っていたわよ」


「なら、教え「セバス!」冥王様?」


「セバス!早く来い!一大事じゃ!」


冥王に呼ばれ、庭にいたセバスがテラスに戻ってきた


「冥王様、どうなされましたか?」


「医者と助産師を呼ぶのじゃ!」


「分かりましたが、理由を教えてください」


「理由よりまず医者と助産師じゃ!」


「冥王様!落ち着いてください!」


「っ、スゥ~ハァ~、マーサが妊婦なのは気づいていたな?」


「はい、再会した時から気づいておりました」


「お腹の子の父は、セイじゃ」


「えっ…それは本当ですか?」


「15歳の誕生日に酔った時に、できたらしい」


「あの日ですか!今すぐに医者と助産師を連れてきます!マーサ様!絶対に安静にしていてください!」


セバスは大慌てで、メイドと執事に指示を出し、医者と助産師を迎えに走っていった


「「「「「…いや、助産師は、まだでしょ」」」」」




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