第104話 マナーの大変さ
セイ達が、薔薇で作られた紋章について話していると、セバスが執事とメイドを連れ食事の準備にやって来た
執事達は、テラスにあったテーブルに布ををかけ、メイド達はその上に食器を準備し、全ての作業を終わらせた
「準備が出来ました、どうぞ席にお座りください」
冥王が上座に座り、セイとセナが横に座り、下座にサラ、マイカ、マーサ、サーシャの順番で座った
「料理をお持ちします」
メイド達は料理を運び、セイ達に出していった
「前菜は、グリーンポークの生ハムとトマトと玉ねぎ、きゅうり、レタスのマリネです」
「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」
「…まさかと思うけど、コース料理が昼ご飯なの?」
「そうじゃが、なにか問題があったか?」
「俺や母様、サーシャさんはテーブルマナーを知ってるけど、サラとシスター、マイカさんは知らないはずだよ」
「っ!そうなのですか!」
「私は元王妃だから、マナーを知っているけど、サラちゃんとマーサちゃんに、マナーを教えてないわ」
「…そういえば、教えている所を見てません」
「逆によくセイは知っているわね」
「俺は前世で覚えたから、でも同じマナーか分からないから、少し不安だね」
「そうなのか、では今回サラ達は練習と思って食べるしかないの」
「それしかないよね」
「「はぁ、可哀想に」」
セイと冥王がサラ達を見て、哀れんでいると、サラがマナーについて聞き始めた
「そんなにマナーって難しいの?」
「それが、結構大変なのよ」
「ナイフとフォークの持ち方から置き方、使い方、ナプキンの広げ方に使い方、後置き方、他にもパンの食べ方、前菜の食べ方、スープの食べ方、魚料理の食べ方、肉料理の食べ方、デザートの食べ方、最低でもこれぐらいは覚えないといけないんだよ」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「それに、ウエイターを呼ぶ方法や椅子に座る方法、覚えることは多いわよ」
「覚えられる?」
「…無理かも」
「私も自信がないです」
「でも、ちゃんと覚えなきゃいけないんですよね」
「そうよ、これから先いつ必要になるか分からないもの、だからしっかり覚えましょ」
「「「はい!」」」
「まあ、覚えた後も大変だしね」
「「「えっ…」」」
「セイ!なんで言っちゃうの!」
「だって事実でしょ?」
「はぁ、事実だけど、マナーを覚えてから教えようと思ってたのよ」
「覚えた後に何が大変なんですか?」
「まだ知らない方がいいわ」
「凄い気になるんですけど」
「それよりご飯を食べましょ」
「そうじゃな、料理が冷めてしまうからの」
「では、私がマナーを教えます」
「「「お願いします」」」
サラ、マイカ、マーサは、セバスからマナーを教えられながら食べていたが、少しでも間違えると、すぐに注意され、食事が終わるまでに50回以上注意された
「凄く美味しいかったわね」
「そうだね、初めて食べたお肉や野菜も出てきたし、俺は満足したよ」
「私もです、今まで使った事のある食材にも違う使い方がある事が知れてよかったです」
「…サラ達はどうだった?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「…全く味が分からなかった」
「「私もです」」
「あれだけ注意され続けたら、誰でもそうなるわね」
「覚えるのが多いと、聞いていましたが、あれほど細く注意されるとは思ってなかったです」
「仕方ないわよ、テーブルマナーは少しの違いで、上品にも下品にもなるんだから」
「それは、セナ様は達を見て、違いが分かりました」
「あら、どう違ったの?」
「セナ様は上品で優雅さがあって、セイ様は上品ですが、セナ様と違い優雅さはなかったです」
「ふふ、良く分かってるわね、それが分るなら、すぐにマナーを覚えられるわ、頑張りなさい」
「はい!」
「サラちゃんとマーサちゃんもね」
「「はい!頑張ります!」」
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