第103話 紋章



セイ達と冥王が話していると、サラのお腹が鳴った


クゥ~「っ~~」


「「「「「っ、あっはっはっはっはっはっはっはっ」」」」」


「う~恥ずかしい」


「ふふ、そういえば、もうお昼の時間ね」


「そうじゃな、では食事にしよう」


「では、テラスに参りましょう」


「む?あのテラスか?」


「はい、冥王様が大切にしている、庭が見ることができるテラスです」


「そうじゃな、あそこならセイとセナも、気に入るじゃろう」


「「「「「?」」」」」


「では、私は先に行き準備が出来ているか、確認してまいります」


「頼んだぞ」


「はっ」


セバスが部屋を出て行ってから、セイ達も冥王と共にテラスに向かい始めた


テラスに向かう途中、セイは庭について、冥王に聞いた


「ねぇ、さっき言ってた庭って?」


「うむ、内緒じゃ」


「えっ!それを言われると、凄い気になるんだけど」


「だが、これだけは言える、セイとセナは絶対に気に入るじゃろうな」


「俺と母様は?ならハーデス家の者は気に入るってこと?」


「おっ!セイは賢いの、正解じゃ!」


「それを聞くと、凄い楽しみになってきたよ」


「そうね、一族の者なら気に入るって言われると、どんな庭なのか凄い楽しみね」


「私も凄い楽しみ!」


「冥王様が大切にしている庭と聞くと、どれほど凄いのか、私も気になります」


「私もです」


「ついたぞ、ここじゃ」


冥王がテラスに行ける扉を開けると、そこには、見渡す限りの薔薇が咲いていた


「これって、薔薇だよね」


「そうですね、この庭は薔薇園なのでしょう」


「色合い豊かで、凄く綺麗な庭ですね」


「それに、見たことない薔薇もありますね」


「どうじゃ、これが儂のお気に入りの庭じゃ」


「…庭の真ん中にある、黒い薔薇と赤い薔薇で作られた模様って、ハーデス家の紋章なの?」


「…黒い鳥のがハーデス家の紋章なんですか?」


「そうじゃ、初代様は鳥が空を自由に飛ぶ姿を見て、国民達が理不尽に合うことなく、自由に生きることが出来る国にしようと決めたと聞いておる」


「黒い鳥なのは、黒髪の一族だから」


「そうじゃ、そして鳥の目が赤いのも、一族の目が赤いからじゃ」


「そこまでは分かりました、1つだけ分からないのが、どの鳥をモチーフにしたんですか?」


「そういえば、この紋章に似た鳥は見たことがない」


「当たり前じゃ、この紋章に似た鳥は、おらんからの」


「「「「「「えっ!」」」」」」


「この紋章は、空高く見える鳥と同じ様に、鳥と分かるだけで、どの鳥かは分からんように書かれておるからの」


「深い意味があるようで、ないような」


「そうね、私達の先祖だもの、ただ勢いで決めた可能性はあるわね」


「そうじゃな、儂もその可能性は充分あると思うぞ」


「なんで、冥王様が俺と母様が気に入るって言ったかわかったよ」


「私も分かったわ」


「「「血の繋がりを、何よりも強く感じるから」」」


「「「ふっ、あっはっはっはっはっ」」」


「笑ってる3人を見ると、初代からずっと、心のままに生きている一族って分かるね」


「そうですね、セイ様とセナ様も、心のままに生きていますから」


「特にセイは、セナ様より心のままに生きているものね」


「いえ、セナ様も、昔はセイ様と同じぐらい心のままに生きていましたよ」


「じゃぁ、やっぱり心のままに生きている一族だね」


「「「そうね」ですね」」





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