第102話 死神と護り神



セイ達が城に付くと、セバスは護衛達を下がらせた


「護衛ご苦労さまでした、今日はもう休んでください」


「「「「「「はっ!」」」」」」


「護衛してくれて、ありがとう」


「ご苦労さまでした」


「「「「「「いえ、お二人を護るのは、我等の使命ですから」」」」」」


「「「「「「では、セイ様、セナ様失礼します!」」」」」」


護衛達が帰っていくと、セバスが冥王の所に案内をし始めた


「では、冥王様が皆様を、謁見の間でお待ちになっております」


セバスの案内に付いていきながら、セイ達は城の廊下を進んでいると、途中城の魔獣達が、セイ達が通る時にお辞儀をしていた


それを見た、サラとマーサは初めての経験に、どこか落ち着かず、それを見たセナが2人に声をかけた


「ふふ、2人とも落ち着かないのね」


「っはい、こういう経験は、初めてなので、どう反応すればいいか分からなくて」


「私も同じで、どう反応すればいいか分からない」


「簡単よ、何も反応しなくていいのよ」


「それは失礼になるんじゃ」


「ならないですよ」


「そうなんですか?」


「私も城で働いてましたから分かるんですが、あのお辞儀は、目上の方が移動している時に、邪魔をしない為でもあるんです」


「どういう事?」


「目上の方が廊下通る時に、毎回挨拶していたら、目上の方が大変な思いをするので、廊下の横でお辞儀をするんです」


「「そうなんだ」ですか」


「それに、もし掃除をしている時に、近くを通って、汚れを飛ばしてしまうと困るから、お辞儀をする事で、そういう心配を無くしてるんだよ」


「セイはよく知ってるわね」


「前にセバスさんから聞いたからね、確かサラもその時聞いていたはずだけど」


「えっ!全く覚えてない」


「「はぁ」」


「ふふ、サラちゃんらしいわね」


「「そうですね」」


「皆様付きました」


セイ達が話している間に、謁見の間に付き、セバスは扉を開けた


謁見の間では冥王が待っており、扉が開いてすぐに、歓迎の言葉をかけた


「セナ!セイ!よく来たな!待っておったぞ!久しぶりじゃな!」


「冥王様、お久しぶりです」


「「「「お久しぶりです」」」」


「うむ、それにしても、2人共よく似合っておるの」


「ありがとうございます」


「懐かしいのぉ、昔は儂も着た服じゃ」


「セバスさんから聞いたよ、ハーデス家の象徴の3色を使った服装何でしょ?」


「そうじゃ、ハーデス家の者は、何かある時、その3色を使った服を着るんじゃ」


「まさか、防具とかも、この3色で作ってるの?」


「当たり前じゃ、3色を使って1番目立つ鎧で、敵兵にハーデスはここにいるぞ!って教えておったぞ」


「「「「えっ!」」」」


「…それだと、1番狙われる事になりませんか?」


「少し違うが、1番狙われるのぉ」


「少し違う?どう違うんですか?」


「ほっほっほ、セイなら、分かるのではないか?」


「セイ、分かるの?」


「母様、ハーデス家の魔法師は時代のトップクラスに必ずいたんだよ?」


「・・・・っ!つまり、ハーデスがいるだけで、相手の戦意を折ることができる」


「正解じゃ!ハーデスの血筋が戦場に来た、それだけで、相手の一般兵は使い物にならなくなる」


「それ程、ハーデス家の3色は有名だったんですね」


「そうじゃ、黒色赤色金色の3色は他国からしたら、死神であり、自国からすれば護り神の印だったんじゃ」


「だから今も、その3色を使うとエルフが怒るから、国旗に使う国が無いんだけどね」


「そうじゃな!」


「…そういえば、エルフ達が、その3色を使った服を、着ている所を見たことないですね」


「あっ!本当ですね、私も見たことないです」


「どれだけエルフが、ハーデス家を大切にしているか、よく分かります」


「そうね、エルフにそこまで思って貰えるまでの信頼を築いた先祖様は、本当に凄いわ」


「エルフ達を助けたのは、ハーデス家の誇りの1つじゃからな」






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