第99話 魔物の領域



護衛達に護られなが出発したセイ達は魔物の領域に入り始めた


魔物の領域に入る時にセイはセバスの横に移動しどうやって魔物の領域を抜けるかを聞いた


「魔物領域の中だと馬車って通れないよね?」


「森の中を抜けることになるので本来なら通れないのですが、木を切りながら進もうと思っております」


「でもそしたら、ハンターたちが通っちゃうことにならない?」


「いえ、魔物の領域の森の木は普通の森と違い、1日もかからず元の大きさに戻るんですよ」


「え?そうなの?」


「はい、セイ様は魔物の領域についてどれだけ知っていますか?」


「確か、魔素の量が多い土地ってことぐらいかな」


「魔素が多いのは、魔物たちが住んでいるおかげです」


「どういうこと?」


「魔物の領域は昔、普通の土地だったのですが、倒した魔物の血や使えない素材を土に埋めて処分していた時に、魔物の魔力と土が馴染み変質した大地なのです」


「…なら変質した大地に魔物が住み始めたってこと?」


「そうです、魔物はその変質した大地に住み始め、その土地で死ぬことで変質した大地はより広くなっていったのです」


「だから、木とかも普通の土地と違い、成長が早いってこと?」


「魔物たちが死に、またその魔力が大地と馴染、それを栄養にして成長することで植物は早く成長するのです」


「へぇ~そんな話初めて聞いたよ、だから魔物の領域にはいろんな植物が存在するんだ」


セイとセバスが話していると先頭の護衛達が木を切りながら道を作り始めた


その道を馬車で通り進んでいると魔物が途中で襲ってくるが護衛達がすぐさま動き魔物を追っ払ってくれた


それを何度も繰り返し、1日かけ領域の半分以上進むことができた


夜は護衛達が交代で守ってくれて、そのおかげでセイ達は、ゆっくり寝ることができた


朝になり、セイ達が朝ご飯を作ろうとした時、護衛達が自分達がやると言ってきたが、護衛のお礼として自分がやると言い朝ご飯を作った


セイ達が作った朝ご飯を食べたらすぐ出発し 、昨日と同じく木を切りながら進み、魔物に襲われると追い払うを繰り返し、夕方には魔物の領域を抜けることができた



魔物の領域を向けることができたセイ達は、その日は前にセイが寄った村に行き歓迎を受けた


「セイ様!ようこそおいでくださいました」


「村長、久しぶりだね、元気だった?」


「はい、セイ様のおかげで、皆元気に過ごしております」


「セイ、私にも紹介してくれる?」


「この人はこの村の村長の…あれ?そういえば名前聞いてなかった」


「そういえば、名乗ってませんでしたね、私はこの村の村長をしているアギトと申します」


「私はセイの母セナと申します」


「では!貴方様も!」


「ハーデスだよ」


「「「「「「おお!」」」」」」


「セナ様お会いできて光栄です、大したおもてなしも出来ませんが、村にいる間は何なりとお申し付けください」


「ええ、ありがとう」

         小声

「(ちょっとセイ!凄い歓迎されてるけど、どうなってるの!)」


「(この村の人達は、ハーデス王国の国民だったんだよ)」


「(それでも、ここまでの歓迎のされ方は、初めてよ!)」


「(この村の人達は、冥王様の息子のルイ様が命を懸けて護った人達なんだよ、エルフ達は助けられた子孫だけど、この村の人達は助けられた本人だから、ハーデス家に対しての思いが、かなり強いんだよ)」


「(つまり冥王様の領域にいる間は、この尊敬の眼差しで見られ続けるのね)」


「(これぐらいなら、まだマシな方だよ、俺が冥王様がいる都市に行った時なんて、門から城に向かって歩いてる間、街の人達が全員道の横に跪いて、その中を歩いたんだから)」


「(…私行くのが嫌になってきたわ)」


「(ハーデス家に産まれた宿命だと思って、諦めるしかないよ)」


「(はぁ、仕方ないわね)」


その日は、村の歓迎の宴を受け、次の日の朝に村を出て、冥王が待つ都市ロイに向かって出発した





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