第96話 サラの料理は…
4日後、その日は朝から全員が動き回っていた、サーシャはサラとマイカを連れ、食品を大量に買いに行き、セナはセイとマイカと共にコートを取りに行っていた
「それにしても、よく納品を早めてくれたよね」
「最優先にしてもらう代わりに、コート代を引いた分の、レッドベアの毛皮の代金を無料にしたのよ?マリアからしたら、大儲けよ」
「そうですよ、毛皮の残りで商品を作って売れば、さらに大儲けです」
「そうか、レッドベアの変異種の毛皮で作った物なら、貴族が絶対に買ってくれるからね」
セイ達が服屋に行くと、マリアが笑顔で待っていた
「セナ!いらしゃいませ!」
「…マリア、凄い笑顔ね」
「ええ!貴族様にレッドベアの変異種の毛皮を入手したって言ったら、直ぐに注文してくれたもの!」
「「…行動が早い」」
「…やっぱり、もう買い手を見つけていたのね」
「当たり前よ!商人たる者、誰よりも早く動かなくちゃ!」
「はぁ、それよりコートは完成してるのよね」
「もちろんよ!奥から取って来るから!」
マリアは、店の奥から6枚のコートを持って来た
「これよ!職人達が徹夜で、完璧に仕上げたコートよ!」
マリアが見せたコートは、レッドベア特有の真紅な色合いで、何処か気品があった
「…綺麗ね、気に入ったわ」
「本当!職人達も喜ぶわ!」
「俺のは凄く格好いいけど、もう少し歳を取った方が、似合うようになるね」
「そうね、セイは少し幼さが残ってるから、5年後の方が似合うようになるわね」
「ですが、今のセイ様が着ても、違和感は無いですよ」
「でも違和感は無いけど、まだ似合ってはないでしょ」
「ふふ、将来が楽しみね」
「それまで大切にするよ」
「セナ様、そろそろ行かなくては、サーシャが待っておりますよ」
「そうね、ならマリア、ありがとうね」
「いいのよ、私の方が感謝してるんだから」
「またマリアに会えて嬉しかったわ」
「私もセナに会えて嬉しかったわ」
「またいつか会いに来るわね」
「ええ、待ってるわ」
セナとマリアは手を取り合い、別れの挨拶をした
セイ達は店を出て行き、サーシャ達と合流する為に宿に戻った
宿の前では、サーシャ達が荷物を積んでおり、セイはそれを手伝い4人で荷物を積み入れた
セナとマイカは部屋に行き、忘れ物が無いかをチェックした後、宿をチェックアウトを済ませてからセイ達の下に向かい、馬車を出発させた
セイ達は街の門まで行き、街を出る手続きを済ませ
街を出たセイ達は、魔物の領域の前まで馬車で行き護衛を待った
「ここで待つ間に、ご飯の準備をしようか」
「でもお昼まで少し時間があるよ?」
「今日からは大量に作るから、いつもより早めに作り始めるんだよ」
「そうなの?」
「護衛に来てくださる方達の分も作りますから、いつもより時間が掛かるんですよ」
「なら、私も手伝うよ!」
「「「「「っ!」」」」」
「いや!サラは見張りをしてくれればいいから!」
「でも、作るの大変でしょ?」
「大丈夫だよ!俺が手伝うから!マイカさんと見張りをしてくれ!」
「そうね、私とマーサちゃんも手伝うから見張りが出来るのは、サラちゃんとマイカだけよ」
「4人でいれば、充分だからサラは見張りをお願いね」
「ん~、分かった!マイカさん1人だと大変だから、私も見張りをするよ!」
「「「「「(ほっ)」」」」」
「なら、よろしくね」
「うん!任せて!」
マイカとサラが少し離れた場所で見張りをし始め、セイ達は料理を作り始めた
「ふぅ~何とかなったな」
「そうね、サラちゃんの料理だけは二度と食べたくないもの」
「ちゃんと教えたのに、何故か変な料理になるのよね」
「前に作っている所を見ましたが、食材はしっかり斬ることは出来るのに、何故か火を使うと、失敗するんですよね」
「不思議よね、何が原因なのかしら?」
「わかんないけど、二度とサラには料理をさせる気はないよ」
「それが1番ですね」
「「「「はぁ~」」」」
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