第95話 何か忘れてる



ハンターギルドからセナが宿に戻ると、サーシャとマイカが、セイの様子が変だとセナに報告した


「「セナ様!おかえりなさいませ」」


「あら、何かあったの?」


「セイ様が、いつもとご様子が違ったのでマイカと何かあったのではと、話しておりまして」


「帰って来てすぐお風呂に入り、ご飯も食べずに寝室に入ってしまったので」


「多分怒りが収まってないのよ」


「怒りですか?」


「ええ、私もセイから聞いて、怒りが湧いてきたもの」


「何があったんですか?」


セナは2人に、ギルドで酔っ払いが魔剣にゲロを吐いた話をした


「「…それは」」


「あの子はハーデス家を心から誇りに思っているから、今日の事は絶対に許せないのよ」


「では、私がそのハンターを始末してきます」


「ふふ、もう私が始末しておいたわ」


「「セナ様がですか!」」


「当たり前よ、私もハーデス家の人間よ、魔剣ハーデスを汚した者は、始末しておかなくちゃ気が済まないもの」


「「(…セナ様もハーデス家を、心から誇りに思っているのですね)」」


「では明日、セイ様にその事を報告しておきます」


「頼んだわね」


「はい」




次の日の朝、皆でご飯を食べている時、マイカがセイに報告した


「セイ様」


「ん?なに?」


「昨日のハンターはセナ様が始末したそうです」


「そうなの?」


「ええ、セイから話を聞いて、私も怒りが湧いてきたから、話を聞いた後ギルドに行って、ハンターを始末しておいたわ」


「分かった、あのハンターと会うことはもうないんだね」


「ええ、そうよ」


「何の話をしてるの?」


「サラちゃんとマーサちゃんには、言ってなかったわね」


セナは昨日の出来事を2人に教えた

教えられた2人は、ハンターの自業自得と納得した


朝ご飯を食べ終わり、皆でゆったりしている時、セイがいつ冥王に会いに行くか話を始めた


「そういえば、いい忘れてたけど、4日後に冥王様に会いに行くからね」


「「「「「えっ!」」」」」


「…色々聞きたいけど…どうして4日後なの?」


「母様達の護衛が4日後に街に着くから、その日に出発するよ」


「護衛?どういうこと?」


「冥王様に頼んで、護衛を用意してもらったんだよ」


「冥王様に会ったの?」


「うん、昨日1人で、冥王様の領域に行って冥王様と会ってきた」


「でもどうして護衛が必要なの?」


「そうですよ、私とセイ様、サラの3人では駄目なのですか?」


「いや、3人じゃ危険だと思うんだよ」


「でも私とセナ様、サーシャさんは、自分の身ぐらい護れるわよ」


「それが、魔物の領域を抜けるのに2日ぐらいかかるんだよ」


「そんなに広いの!」


「冥王様の領域は小国並みの広さがあってさ、魔物の領域を超えてからも、冥王様の都市には馬車で1ヶ月はかかるから、馬を連れて行かなくちゃいけないんだよね」


「そんなにかかるのね」


「よくセイは、1日で往復できたわね」


「俺は【魔装】と【魔足】を使って、空から一直線で向かったからできたけど、普通は魔力が持たないよ」


「そうね、セイにしかできないわね」


「だから、冥王様に護衛を頼んだの」


「なら護衛が街につく前に、準備しておかなくちゃね」


「では、食材は出発の朝に買いに行き、他の物は前日までに準備します」


「頼むわね、サーシャ」


「はい、お任せください」


「シスターとサラも、自分が使う物は、前日までに買いに行ったほうがいいよ」


「そうね、サラと一緒に買いに行くわ」


「なら最初は服だね!」


「ん?今使ってる服があるだろ?」


「シスター最近お腹出てきたんだよ」


「サラ!何言ってるの!」


「だってお風呂の時、気にしてたよね」


「「「「へぇ~」」」」


「っ!太ってないですよ!ただお腹が少しほんの少し出てきただけです!」


「ふふ、そういう事にしておきましょう」


「うぅ~絶対に痩せてみせる!」


「頑張っあっ!コート!」


「「「「あっ!」」」」


セイ達はコートの事を忘れており、どうするか悩み始めた



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