第85話 セイ達の寿命



セイとセナの言い合いは、マイカ達が止めたお陰で終わり


マイカ達に、何故言い合いになったかを、サーシャが教えた


「それなら、私も建国は賛成です」


「「私も」」


「だから、俺は嫌だって言ってるの!」


「しかし、セイ様が亡くなった後の事も考えると、建国はいい案だと思います」


「そうよね!」


「でも!やる気がない俺より、やる気がある奴がするべきだよ!」


「ですが、セイ様の子孫にやる気がある子が、産まれてくるとは、限りません」


「なら、建国はしなくていいじゃん!」


「いえ、最初から王族として、育てて行けば、王になる子が必ず生まれます」


「そうよ!最初から王族なら問題ないのよ!」


「勘弁してよ、俺は縛られるのが嫌だから、ハービス王家とも、縁を切ってるんだよ」


「セイ様は、国王になっても、好きなように生きていいのですよ?」


「だけど、国王になったら、好きなように生きれないだろ?」


「いえ、多分大丈夫ですよ」


「そうね」


「どうしてです?」


「簡単よ、セイの代わりに全てをやってくれる方がいるもの」


「そんな方がいるの?」


「確かにいるけど…俺がやる気ないんだよね~」


セイがセナ達に説得され、建国を渋っていると、ルージュがいきなり土下座して、セイに頼み始めた


「セイ様、全てのエルフを代表してお願いします、どうか今一度ハーデス王国を建国してくだい」


「っ・・・・・・・・・・・・」


「ルージュさんが、ここまでして、頼んでるのよ?エルフの悲願を叶えてあげなさいよ」


「っあぁ゙~もう分かったよ!建国すればいいでしょ!」


「本当ですか!」


「でも、旅が終わったらだよ!」


「それで充分です」


「もう!何で俺なんだよ!母様が建国すればいい…っそうだよ、母様が建国すればいいんだよ!」


「えっ!私?」


「だって!母様もハーデス家の一族でしょ!なら母様でもいいわけだ!」


「確かにセナ様は、元王妃ですから、王族の仕事もよく理解しています」


「ちょ!嫌よ!私はやらないわよ!」


「何で!母様は建国に賛成だったでしょ!なら母様が女王になればいいんだよ!」


「そうですよ、セナ様ならできますよ」


「だから、嫌なのよ!ようやく王妃の責務から、解放されたのに、何で次は女王の責務をやらなきゃいけないのよ!」


「「「「…ええ~!」」」」


「なら、俺だって王の責務をやりたくないよ!」


「セイは、若いからいいのよ!」


「母様も魔法師なんだから、長生きするでしょ!孫が王位を継げるまでは、できるはずだよ!」


「そんな長く女王なんて嫌よ!セイこそ、長生きするんだから、次の王が育つまで、国王ができるでしょ!」


「それこそ長すぎるよ!セバスさんが言ってたけど、俺は200歳までは生きるって、言われてるんだよ!」


「私も、150歳までは、生きるって言われてるのよ!」


「「「「「えっ…」」」」」


「待ってください!2人共そんなにも、長生きするんですか?」


「「そうよ」だよ」


「そんなに生きられると、何故分かるのですか?」


「あら?皆は知らないの?」


「何をですか?」


「魔法師は、長生きする人が多いんだよ、確か魔素の浸透率が高い人ほど、長生きするはずだよ」


「なら、マーサさんとサラちゃんも」


「シスターは140歳、サラは170歳までは、生きていけるはずだよ」


「「嘘…」」


「それに、エルフやドラグニュートの魔法師は、おおよそ種族の倍の時間を生きるはずだよ」


「なら、私達は」


「まあ、エルフなら2000年は生きるね」


「そんなに生きた、エルフを聞いたことがありません」


「エルフの魔法師は800歳ぐらいになると、魔獣達の下で暮らし始めるのよ」


「初めて知りました」


「それに、俺は200歳って言ったけど、今まで俺程の、魔素の浸透率はいなかったらしいから、どれだけ生きるかは、わからないんだよね」


「なら、セイが王様になればいいよ」


「は?サラ!お前いきなり何を!」


「だって、セイが王様になれば、速い内に王位を譲って、見守り続けることができるでしょ?」


「そうよ!それでいきましょう!」


「母様でもできるでしょ!」


「なら、セイとセナ様の2人で見守り続ければいいよ」


「えっ!私も?」


「そうすれば、平等でしょ?」


「はぁ~、仕方ないわね、それでいきましょ、わかっわねセイ」


「はぁ~、分かったよ、くそっ、何で俺が国王に…」


「「「(似た者、親子ね)」」」





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