第86話 セナの幼馴染



 セイとセナが、建国の話を終え、ルージュは話をエルフに伝えるためにレイカと一緒に帰っていった


その日は、そのまま宿で眠り

次の日セイは、朝からセナ達を連れ、街に出かけた


「急に出かけるって言って、私達を連れてきたけど、何処に向かってるの?」


「服屋だよ」


「あら、どうして?」


「レッドベアの毛皮を、コートにしてもらおうと思って」


「急に、どうしてです?」


「街に入る時に、毛皮の事を聞かれたから、多分街に行くたび、聞かれる気がするから、先にコートを作っておいて、残りで防具作る材料って言えば、問題がなくなるから」


「そうね、毎回聞かれるのは、疲れるもの、それで防具は作らないの?」


「防具はやめておこうと思う」


「どうしてですか?」


「レッドベアの毛皮は、魔素に反応して火をつけることがあるんだよ」


「ですが、魔力なら自由につけることも、消すこともできるはずです」


「そうなんだけど、俺の魔力だと、かなりの火になるから、俺と周りを巻き込む形になる可能があるから、やめとく」


「コートでも同じじゃないの?」


「いや、コートは雪の時用に作るから、関係ないんだよ」


「セイは旅の途中に、吹雪になっても大丈夫なように、コートを作るのね」


「何かあっても大丈夫なようにね」


話している間に、セイ達は服屋に到着した、セイはレッドベアの毛皮を持ったまま、服屋に入って行った


「いらしゃいまっ!セナ?」


「あら、マリアじゃない」


「セナ!本当に!セナなの!」


「母様の知り合い?」


「幼馴染なのよ」


「あら!この子、セナの子供?」


「はじめまして、セイです」


「あのセナに息子がいたなんて!」


「ふふ、自慢の息子よ」


「あれ?確かセナって、王妃になったって聞いてたけど」


「色々あって別れたのよ」


「セナと別れるなんて、国王は見る目がないのね」


「違うわよ、見る目がないわけじゃないのよ、私が見限ったのよ」


「同じよ!セナに見限られる人は、昔から決まって、道を間違えた人なんだから」


「一応チャンスをあげるのだけど、誰も気づかないのよね」


「無理よ、セナのチャンスは、自身を見つめ直さないと、気付けないものだから」


「そんなに難しいからしら?」


「そうよ、どうせ今回も1人の人として、謝れば許してあげたんでしょ?」


「あら、よく分かったわね」


「セナはいつもそうよ、チャンスはあげるけど、ヒントはないの」


「ヒントもあげたわよ、あの人には国王以前に夫でしょ!って怒ってあげたから、気付かなかったあの人が悪いわ!」


「あれ?結構怒ってるの?」


「当たり前よ!私は15年も待ってあげたのに、全く気付かなかったのよ!」


「うわ~、それは酷いね、昔のセナなら1年も待たなかったのに」


「そうよ、あの阿呆は自身の器以上の事を、求めたから失敗したのに、全く分かってないのよ!」


「その話を聞くと、この国が心配ね」


「ふん、この国が潰れたら、私が国を建国するわよ!」


「本当!なら俺が今から王家を滅ぼすから、母様が建国してね!」


「待ちなさい!あの話はもう決着がついたでしょ!」


「いや!母様が建国してくれるなら、俺は喜んで王家を滅ぼすよ!」


「「「「また始まった…」」」」


「…セナの息子、過激すぎない?」


「っ、その話は後よ、その前にコートの話をしましょ!」


「ちっ、逃げたか」


「マリア、今日はコートを作ってほしくて来たのよ」


「コート買うんじゃなくて?」


「そう、レッドベアの毛皮でコートを作ってほしいのよ」


「レッドベア!セナ持ってるの!?」


「ええ、セイが倒したのを、持ってきてるわ」


「この子が持ってるこれね!」


マリアはセイから、レッドベアの毛皮を取り確認をし始めた


「いい毛皮ね、それに今まで見たレッドベアとは、少し違うみたいね」


「変異種の毛皮だもの」


「レッドベアの変異種!凄いわ!初めて見たわね」


「それで、6人分のコートを作ってほしいのよ」


「いいわよ!でもこの毛皮、10人分の量が、あるわよ」


「残りは、買い取りします?」


「本当!いいの!是非買い取らせて欲しいわ」


「いいのセイ?」


「防具にしても、使わない気がするから、この際売っちゃうことにするよ」


「セイがいいなら、そうしましょうか」







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