第83話 首飾りの光



 セイは、ギルドマスターのルージュから、ハーデス家とエルフの関係を聞いた


「でも、この子がハーデス家かどうかは、はっきりとはわからないわ」


「…そうね」


「なら、母様に会いに行くか?」


「確か、首飾りを持ってるのよね」


「ああ、母様もこの街にいるから、今なら会えるぞ」


「本当!今すぐ会いに行きましょう!」


「その前に、王都のギルドマスターから、身分証を見せておけって言われてるんだよ」


「なら先に終わらせましょう、見せてちょうだい」


セイは、ルージュに身分証を渡した


「っ、これって…」


「何か書いてあるのか?」


「貴方の身分証に、ハービス王家の関係者の印が付いてるわ」


「はぁ?そんな印あるのか?」


「身分証には、貴族、王族、職業のどれかの印があるの、その印の他に、王族と貴族は家を継がなかった一族の者に、関係者の印がつくのよ」


「ちっ、今度あのマスターに会ったら、絶対にしばく、それでその印は消せるのか?」


「消せるけど、いいの?」


「是非消してくれ、俺はハービス家とは関係ないからな」


「なら本当に消すわよ?」


「消してくれ」


「分かったわ、なら消してくるわね」


ルージュは、セイの身分証を持って会議室を出て行った


それからしばらくして、ルージュが会議室に戻ってきた


「消しといたわよ」


「ありがとう」


「じゃあ、貴方のお母様に会わせてね」


「なら今から会いに行くか?」


「ええ、早く会いたいわ」


セイは、宿に戻る前に両替所に寄り、金貨10枚を銀貨100枚に交換し、ルージュ達を連れて宿に戻った


「セイ様、おかえりなさいませ」


「母様は今何処にいるの?」


「今、お風呂に入っております」


「そう、ならどうする?」


「待たせてもらってもいいかしら?」


「私も気になるから、待たせてほしいわ」


「セイ様、こちらの2人は?」


「メイトのギルドマスターのルージュとハンターのレイカだ」


「ギルドマスターのルージュよ」


「ハンターのレイカだ」


「私はセナ様に仕えている、サーシャと申します、よろしくお願いします」


「ルージュは母様に用があるんだ」


「では、お茶を出しますね」


セイ達は、リビングルームでセナがお風呂を上がるのを待った


「ふぅ~、いいお湯だったわ、あらセイ、帰ってたの?」


「少し前にね」


「それで、そちらの2人は?」


「メイトのギルドマスターをしている、ルージュと申します!」


「っ、ハンターをしている、レイカと申します」


「私はセイの母、セナと申します」


「2人共、急にどうした?礼儀よくしっちゃって」


「私は、ルージュが急に礼儀よくなったから、礼儀よくしたほうがいいのかと」


「当たり前よ、王妃様の前で無礼な態度は取れないわ」


「えっ、王妃様?」


「ふふ、元王妃よ、今はただの平民よ、礼儀なんて気にしなくていいわ」


「いえ、セナ様には、王太妃の頃に一族の者達がお世話になったと、言っておりましたので」


「あら、貴方あの時のエルフ達の家族なの?」


「はい、一族の者達が、貴族に狙われた時に、王太妃様に救われたと、言っておりました」


「へぇ~、母様は昔エルフを助けてたんだ」


「何故か、昔からエルフは助けなくちゃって思うのよね」


「ふふ、血筋だね」


「あら、そうなの?」


「ルージュが言うには、そうらしいよ」


「そのことで、セナ様にお願いがあります」


「何かしら?」


「首飾りを見せて頂けませんか?」


「いいわよ、でもこの首飾りは、私の一族にしか、意味がない物よ」


セナは、首飾りを外し、ルージュに渡した


「…絵で見た通りの首飾りだわ、これを光らせる事はできますか?」


「できるわよ、魔力を流せば光るわ」


「あれ?血じゃないと、光らないんじゃないの?」


「セバスさんから、魔力でも大丈夫って教えてもらったの」


「そうなんだ」


「では、見せて頂けませんか」


「いいわよ」


セナは、ルージュから首飾りを返してもらい、そのまま、魔力を流した


首飾りは、優しく光、時折七色に光を変えながら、セナが魔力を止めるまで光続けた


「っ・・・・・・・・・・・・」


光りを見た、ルージュは静かに涙を流た





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