第78話 次の目的地



セイ達はマリに挨拶をしてから、町を出て行った


「セイ、次は冥王様に会いに行くんでしょ?」


「そうだよ」


「なら次の目的地は、ハンター都市のメイトね」


「ハンター都市?」


「サラは知らないのか?」


「ハンター都市って名前からすると、ハンターの為に作られた街って事だよね?」


「それが違うのよ」


「ハンター都市ってのは、魔獣の王の領域から魔獣が出てこないように、作られた街なんだよ」


「それだと、ハンター都市って名前じゃなくて、防衛都市じゃないの?」


「魔獣達から、国を護る為に作られた街だけど、領域には数多くの魔物がいるから、それを狩りに来ているハンターが多いんだよ」


「それでハンター都市になったのね」


「他国には、ハンター都市じゃなく防衛都市のところもあるけどね」


「この国はハンター都市の方なの」


「なら、冥王様に会いに行くなら、そのハンター都市メイトに行けばいいのね」


「そういうこと」


「まあ、後1ヶ月はかかるから、その間は旅を楽しみましょう」


「そうですね」


セイ達は、途中で村や町に寄りながら、ハンター都市メイトに向った



~セイが出て行った町~

 マリ、ウル、レオン 視点


コンコン「お義兄さん!…変ね、返事がないなんて」


「庭にいるんじゃないの?」


「なら庭に行きましょ」


マリとレオンは庭に周り、1人座っているウルを見つけた


「お義兄さん!」


「・・・・・・・・・・・・」


「伯父さん!」


「・・・・ん?何だ?」


「セイちゃん達町を出て行ったわよ」


「知ってるよ、お前に挨拶してから町を出るって言ってたからな」


「聞いてたんだ」


「それでお義兄さんは、庭で何をしてるの?」


「俺は魔法師の修行をしてたんだよ」


「あら、めずらしい」


「そうだね、よく俺はもう魔法師として成長することがないって、言ってたのに」


「それがよ、セイ達から【魔技】の事を聞いたら、まだ成長できるみたいでな」


「【魔技】?」


「お前ら、領主がセイに魔法を使ったの、見てたんだろ」


「見てたけど、セイちゃんは何もしてなかったわよ」


「普通は無防備で魔法を受ければ大怪我なんだよ、なのにセイは怪我をしなかっただろ」


「でもセイちゃんは、領主の魔法が弱いからだって、言ってたわよ」


「そんな訳ないだろ、確かに領主の魔法は弱い部類だが、それでも魔法なんだよ、どんな魔法だろうが、無防備で受けて怪我をしないことは絶対にない」


「なら、セイちゃんは【魔技】ってのを使ったの?」


「そうだ、そのおかげで、セイは無傷だったんだよ」


「でも、前に伯父さんが言ってたよね、魔法師の魔法は一族のみって」


「魔法はそうだが、【魔技】は違う、魔法師なら誰でも習得できる技らしい」


「だからお義兄さんは修行してるの?」


「魔法師として、より強くなれるんだ、やるしかないだろ」


「ふふ、そうだね」


「それに領主の一族がおとなしくなるんだ、今のうちに修行しときたい」


「そうなのかい?」


「ああ、セイが先代領主と話をつけてきたからな」


「ボルス様かい?」


「一族が貴族として恥ずかしくないよう、命を賭けて教育するってよ」


「ボルス様なら安心だね」


「あの方なら、信頼できるよ」


「ああ」


「それで、セイちゃん達は何処に行くって言ってたの?」


「多分、ハンター都市メイトだな」


「そうなのかい、ならマリナに会うかもね」


「ん?マリナの奴、ハンター都市にいるのか?」


「この前、手紙でハンター都市メイトでハンターやってるって書いてあったからね」


「そうか、ならセイ達に会ったら、マリナも大変だな」


「どうしてだい?」


「絶対に周りから紹介してくれって言われるぞ」


「それは大変そうだね」


「そうね」







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