第73話 先代領主ボルス チャカ



 セイが領主に使った魔法は、領主に苦しみを与え殺した


「「「「「っ領主様!」」」」」


「セイちゃん!これじゃぁ領主の一族がこの町に攻めてくるわよ」


「大丈夫だよ、今から俺が領主の屋敷に行って殺してくるから」


「だけど!」


「母さん、大丈夫だと思うよ」


「レオン!何言ってるの!」


「多分セイが言ったハーデス家は、国王陛下ですら逆らえない一族なんだと思う」


「レオンさん正解!」


「えっ…どういうこと?」


「そもそもハーデス家は冥王様の一族なんだよ、それを知っている国王は何もできないんだよね」


「「「「「…冥王様…」」」」」


「セイちゃん、それ本当なの?」


「そうだよ、まあハーデス家と関係なく、国王は俺に何もできないけどね」


「どうして何もできないって言い切れるの?」


「簡単だよ、それ程までに俺とハービス王国では、力の差がありすぎるから」


「つまり、セイなら国と戦えるだけの力があるってこと?」


「そうだよ、だからちょっと行ってくるから、待ってて」


「ちょっと、セイちゃん!」


セイは領主の屋敷に、一人で向かっていった


「セイちゃんは強くなったのね」


「そうだね、昔から強かったけど、今はどこまで強くなったのか分からないよ」


「国と戦える力って言ってたけど、それが何処までの強さか、普通は分からないものよ」


「だけど、小さい時から、知っているけど、何処か気品があったし、王妃の子供って聞いたら納得だよね」


「それも冥王様の一族だもの、気品に魔法の強さ、どれも納得できるわ」


「そうだね」


セイは町を抜けて行き、領主の屋敷に到着した


「ここだな、よし!」


「何者だ!ここは領主様の屋敷だぞ」


「門番か…知ってるよ」


「ならば要件を言え!」


「要件ね、ちょっと領主の一族を皆殺しにしようかと」


「なっ!ふざけるな!」


「ふざけてないよ、今日領主の一族を終わりにする」


「この!死ね!」


「はぁ、邪魔!」


「ぅ゙ぁ゙」


門番はセイを斬ろうと剣を抜こうとしたが、その前にセイに殴り飛ばされた


「よし気絶したな、それじゃ【風斬】!」


セイはそのまま屋敷の玄関を【風斬】で斬り飛ばした


セイが玄関を斬り飛ばした音を聞きつけて、大勢の兵士が集まった


「「「「「何事だ!」」」」」


「聞きたいことがあるんだけど」


「貴様何者だ!」


「うるさいな、お前達は俺の質問に答えろよ」


「ふざけるな!ここを何処だと思っている!」


「領主の屋敷だろ」


「知っていて、ここを襲撃したのか!」


「当たり前だろ」


「貴様!」


「それより、領主の一族は何処にいる?」


「答える訳がないだろ!」


「はぁ、面倒だな、ならお前達を痛めつけて尋問しなきゃないけないだろが」


「痛めつけて尋問だと!」


「そうだよ、だから早く答えてくれない?」


「ふざけるな!」


「ふざけてないだよね」


セイが兵士達と揉めていると、屋敷の中から1人の老人が出て来た


「何の騒ぎた!」


「「「「ボルス様!」」」」


「誰だ?」


「これは一体何事だ!」


「襲撃者です!」


「襲撃者だと、この子供がか?」


「はい!領主様の一族を狙っています!」


「儂の一族を狙っているだと?」


「なるほど、先代領主か」


「お主何者だ?」


「そんなことはどうでもいい、それよりお前の一族は後何人いる?」


「後8人いるが、お主は何のつもりで襲撃している?」


「後6人も探すのかよ」


「儂の質問に答えよ!」


「わかんないの?お前の一族を皆殺しにするためだよ」


「「「「「なっ!貴様!」」」」」


「お主、できると思っているのか!」


「できるよ、ボコスだったか?もう死んでるぞ」


「「「「「えっ…」」」」」


「ボコスを殺したのか!」


「そうだけど?」


「貴様!」


「いや悪いとは思ってるんだけどさ、ボコスって奴が余りにも馬鹿で理不尽な奴だったから」


「貴様!死ね!【火蜂】!」


「はぁ、またかよ【魔装】」



ボルスの【火蜂】は、ボコスより威力は強いが、セイに傷をつけることは出来なかった





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