第74話 先代領主ボルス チャカ2



先代領主ボルスは、セイに【火蜂】を使ったが、ボコスの【火蜂】と同じく、傷をつけることは出来なかった


「何故無事なのだ!」


「そんなのお前の魔法が、俺の【魔装】を破ることが、できなかったからだろ」


「【魔装】だと、それがお前の魔法か!」


「何言ってんの?【魔装】は魔法じゃないぞ?」


「そんな訳ないだろ!」


「あ~、お前は知らないんだな」


「何をだ!」


「【魔装】は、魔法師の技術だってことをだよ」


「そんな話聞いたことがない!」


「それはお前が無知なだけだろ」


「貴様!」


「さて、早く他の奴も探さなきゃいけないから」


「ちっ!お前達!今すぐ儂の一族を呼んで来い!」


「「「「「「えっ…」」」」」」


「早くしろ!こやつ、かなり強い!儂1人では勝てん!」


「「「「「「はっ!」」」」」」


兵士達はボルスの命令で、領主の一族を呼びに行った


「へぇ~、お前はよく分かってるな、ボコスの馬鹿より、まともらしい」


「儂は若い頃、ハンターをしていたのだ、お主みたいな奴を、何人か見たことがある」


「でも、俺より強いのは見たことないだろ」


「いや、あるぞ、昔魔獣の王を遠くから見たことがある」


「どの魔獣の王だ?」


「冥王ハデス様だ!お主は強いが冥王様ほどではない!」


「なら、こうすれば同じかな?」


セイは全身から、魔力を垂れ流し始めた


「なっ!有り得ん!この感じ、あの時の!」


「なら、もういいな」


セイは全身から、出ている魔力を抑え込み、元の状態に戻した


「どうなっている!」


「本当に何も知らないんだな」


「今のは何だったのだ!」


「簡単だよ、ただ魔力を垂れ流しただけだ」


「そんなことで、あの感覚になる訳ないだろ!」


「はぁ、無知な奴だな」


「っ、一族を逃さなくては」


「「「「「「ボルス様!」」」」」」


「来るな!今すぐ逃げろ!」


屋敷の中から6人の魔法師が、ボルスの下にやってきたが、ボルスは逃げるように命令した


「「「「「ボルス様?」」」」」


「早くしろ!こやつには勝てん!早く逃げろ!」


「逃がす訳無いだろ!【魔威】!」


「「「「「「「ぐっ…」」」」」」」


セイは全員を逃さないために、全身から魔力をだし、ボルス達を魔力で押さえ付けた


「ぐっ、動けぬ」


「さて、これで全員だな」


「何故このようなことをする!」


「さっき言っただろ、ボコスが理不尽な事をしてきたから殺したって」


「「「「「「なっ!」」」」」」


「違う!儂が聞きたいのは、何故ボコスだけではなく、一族を狙うかだ!」


「復讐されないためだな」


「なんだと…」


「復讐の為に、俺の大切な人を傷付ける可能性があるから、ちゃんと根絶やしにしとかないと、後から後悔するだろ?」


「くっ、ならば一族の全員が復讐をしないと誓う!」


「「「「「ボルス様!」」」」」


「どうしてですか!御爺様!」


「ん?お前はボコスの娘か?」


「そうよ!お前は絶対に許さない!」


「へぇ~、ならお前から死ぬか?」


「やめてくれ!孫を殺さないでくれ!」


「だがこいつは絶対に復讐してやるって目をしてるぞ」


「儂が説得する!だから!」


「まあ少しは待ってやる」


セイは【魔威】で、全員を地面に押さえ込みながら、近くの岩に座った


「何故ですか御爺様!」


「あやつは、本気で一族を滅ぼすつもりだ、そして、それを止めるすべがないのだ」


「ですか!お父様は!」


「何があったかは分からぬ、しかし儂らでは復讐は不可能だ」


「なら私が!強くなって!」


「お前が強くなれるとしても、今は不可能なのだ、そしてあやつは、後に復讐されないように、今日儂らを殺す」


「そんなの理不尽です!何故私達がこんな目に合わなくては、いけないのです!」


「そうだ理不尽だ、しかしどうにもならんのだ」


「うっうぅぅうぅ」


「なぁ?理不尽って俺じゃなくて、お前達がした事だろ?」


セイは、ボルスと孫が話しているのを聞いて、文句を言い始めた








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