第63話 後の王都



セイ達はが王都を出て行ってから


~王城~


~執務室~

国王、王子、宰相、近衛騎士団長


コンコン「陛下、私です」


「宰相か、入れ」


「はい、失礼します」


「それで何のようだ」


「今知らせが入り、セナ様が王都を出ていきました」


「っ、…そうか、分かった」


「…父上いいのですか?」


「仕方あるまい、私は何もできん」


「しかし陛下、セナ様が出ていったなら、セイ様も」


「私はもう、あの子には会えることは一生ない、あの子もそうして欲しいだろ」


「「陛下」」 「父上」


「私にできるのは、2人が幸せに暮らせることを願うだけだ」


「…父上(貴方は本当にわかっていないのですね、セナ様は貴方のそういう所が駄目だと言っていたのに、私は今なら弟の気持ちが少し分かりますよ、こんな父親とは会いたくない気持ちが)」




~騎士団~


~訓練場~


「情けない!もう動けんのか!」


「父上仕方ないですよ、騎士団長ですら立つのがやっとなんですから、他の騎士達はもう動けませんよ」


「黙れトウガ!貴様も今から同じことをさせるぞ!」


「勘弁してくださいよ、訓練した次の日は動けなくなるから、騎士団は3日おきに訓練することに決めたじゃないですか」


「それでは駄目なのだ!騎士の誓いを護れるよにならなくては」


「誓いですか、何故そんなこと急に言い出したのですか」


「トウガ、貴様知っていたな」 


「なにをです?」


「冥王ハデス様により、側妃達に手を貸した者達が一族郎党皆殺しにあったことを」


「っ何を言っているのですか」


「普通に考えれば分かる、総騎士長の儂に話が入らんってことは、宰相が貴様に命じて病死などで隠したのだろう」


「何処で知ったのですか、今さらその話がぶり返されるとは」


「貴様、元王妃に御子息がいたのは聞いていたのか?」


「えっ…セナ様に御子息がいたのですか」


「そうか、そこまでは知らなんだか」


「私が命じられたのは、冥王様が皆殺しをしたから、それを民に知られぬように手を打てとしか」


「セナ様には、陛下との間に御子息がいる」


「では、何故王家に迎え入れないのですか、王家に入れば御子息も安全でしょう」


「それがそうでもない、セナ様は冥王ハデス様の一族だったのだ」


「…冥王ハデス様の一族、ならセナ様には誰も逆らえません」


「そうだ、そしてセナ様は陛下と御子息を会わせる気が無い」


「なぜですか?」


「詳しくは知らんが、陛下はセナ様を深く傷付けてしまっている、そして御子息はそんな陛下を嫌っておる」


「それで何故、騎士の誓いの話になったのですか」


「御子息に言われたのだ、無能の騎士団など意味がないとな、民を護る誓いを護れておらん騎士であると」


「そんなことはないですよ!」


「いや、事実そうなのだ、王妃を護ることもできず、王子達の裏の顔を知らず、下手すれば暴君が生まれていたかもしれん、それでは誓いを護れていないのだ」


「しかしそれは」


「言い訳などできん、儂らは間違えたのだ、儂は引退する前に、今一度誓いを護れる騎士団にしなくてはいけないのだ」


「ならば私も今一度誓いを護れる騎士になるために努力しましょう」


「ああ、皆で頑張ろう」



~ハンターギルド~


~受付~

ギルドマスター、ジョン


「それにしても本当に大丈夫か?」


「セイ達か、サラの方は大丈夫だろ」


「なんだマスター、セイは心配なのか?」


「ああ心配だ、やりすぎないかな!」


「そんなやばいのか」


「お前は知らないのか、セイは変異種のレッドベアを倒すために使った魔法を」


「そんなにすごかったのか?」


「セイの魔法で東の門から50メートル先まで氷漬けになったんだぞ」


「嘘だろ?」


「それにセイの魔力は変なんだよ」


「何がだ」


「セイの魔法は、氷が中々溶けないんだよ、解体するために溶かそうとしたが、国家魔法師団が4日もかかったんだぞ」


「嘘だろ…ありえねぇ、そりゃマスターも心配だな」


「はぁ、これからやることもあるし、気が重いぜ」


「まあ頑張ってくれ、俺は久々に魔物狩りに行ってくるから」


「ああ」





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