第51話 バーベキュー
セイ達は荷車を押しながら帰宅した
「「ただいま~」」
「「おかえり!」」
「あれ?シスターとセナさんしかいないの?」
「違うわよ、私達は2人が帰るのを待っていたの」
「そうなんだ、サーシャさんとマイカさんは?」
「2人なら、サーシャは掃除、マイカはセバスさんと模擬戦をしてるわ」
「なら後で呼んでこないと」
「あら?どうして?」
「今日はバーベキューにしようかと思って」
「いいわね、なら買い出しに行ってもらわなきゃ」
「いや、材料は揃ってるんだ」
「買ってきてくれたの?」
「そうだよ、まあお肉は狩ってきただけど」
「どういうこと?」
「サンダーホルスを倒してきたの!」
「本当に?」
「うん、結構大変だったけど」
「なら今日はお祝いね」
「そうだけど、日頃の感謝を込めて、俺が準備するよ」
「本当にセイはいい子ね!」
「そんなことないよ、じゃぁ準備してくるから、時間になったら呼ぶよ」
「分かったわ!楽しみにしてる!」
セイは庭に出て倉庫からバーベキューコンロを出した
「帰っていたのですかセイ様」
「さっきね、今からバーベキューコンロを洗うから、2人は模擬戦を続けてて」
「いえ、お手伝いします」
「今日は日頃の感謝に俺が全部やるから、2人は手伝わなくていいよ」
「そんな、私達は望んでやっている事なので」
「それでも感謝してるから、俺が全部やりたいんだよ」
「分かりました、楽しみにしております」
「でもセバス殿」
「主が感謝を伝える為に、準備しているのです、私達は手伝うべきではありません」
「っはい分かりました、では私達は中で待っております」
「準備ができたら呼ぶから待ってて」
「「はい」」
セイはバーベキューコンロを洗い、水気を拭き、薪の準備完了させた
それから野菜と肉を切り、肉を様々なサイズに切り始めた
「(ふぅ~後はタンだな、この世界はタンを食べる文化がないから、皆びっくりするだろ)」
「後はタレだな、塩と焼肉のタレだな、米も炊かなきゃな」
この世界は、米と醤油が普通に存在している、遥か昔、麦だけにかかる病のせいで、食糧難になった時、米を食べる文化が世界中に広まったおかげで、餓死者を余り出さなくて済んだことから、稲を育てる文化が根強くある
「転生した時は、米を探さきゃいけないと思ってたけど、まさか普通に存在していてビックリだな」
セイは、醤油、砂糖、塩、胡椒、ニンニク、みりんを混ぜタレを作った
「(前世の知識が少しは役に立ってよかったな)」
「よし、完成だ、皆を呼んで来なくちゃ」
セイはリビングで待つ全員を呼びに行き、準備ができた事を伝えた
「準備できたよ!」
「ならすぐ庭に行きましょう」
「「「「はい!」」」」
庭に全員が揃い、そこに並ぶ肉に目を輝かせいた
「じゃぁ、早速始めようか」
「そうね!こんな良いお肉中々手に入らないもの!」
「皆!好きなように食べて良いから!」
「「「はい!」」」
「いただきます!」
「「「「いただきます」」」」
セイ達は、各々が好きな部位を焼き始めた
「セイ様、今焼いている部位は何でしょう」
「俺が焼いてるのは、タンだよ」
「タン…舌ですか?」
「そうだよ」
「美味しいのですか?」
「俺は好きだね、塩とレモンで食べると最高!」
「ならば、私も食べてみます」
セイはタンから一切目を離さずに、タンを焼き、良い焼き加減になった所を皿に取り塩とレモンをかけ、一口で食べた
「うっまー!」
「「「ビックリした!」」」
「セイは何を食べてるの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「セイ、聞いてるの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「セナ様、セイ様はタンを焼いておられます」
「タン?」
「舌の部位です、私も食べたのですがかなり美味しい部位でした」
「舌…私も食べるわ」
「えっ、セナ様!舌ですよ!」
「だってセイがこれだけ真剣に焼くのよ、それにセバスさんも美味しいって言ってるわ、本当に美味しのよ」
セナはセイの焼き方を見て、自身も焼いて食べて、その美味しさにビックリし、その様子を見ていた残りの4人も、同じように食べみてその美味しさにハマった
そこからは、皆で色々な部位を食べ夜遅くまでバーベキューを楽しんだ
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