第47話 登録



セイ達は、訓練場を出て受付に向かっていた


「っやっぱり臭い」


「しょうがないよ、さっきまで酒臭い人達がいたんだから」


「でも、よくここで職員さんは働けるね」


「ギルドは給料がいいから、我慢してるんだよ」


「なるほど、お金の為に我慢してるんだ」


「じゃなきゃ、あんな匂いのおっさん達の相手なんて誰もしないよ」


「「「「お前ら!好き勝手言いやがって!」」」」


「ぶっはっはっはっ」


「「「マスターも笑うな!」」」


「あれ?説教終わったの?」


「ああ、こいつらには誰もやりたがらない仕事をやることで許した」


「へぇ~、そういう仕事もあるんだ」


「あるぞ、討伐が面倒な奴や王都のゴミ掃除みたいなのがな」


「まぁ、俺達には関係ない仕事だな」


「さて、2人の登録を済ませよう、身分証を出せ」


「あれ?俺身分証持ってない」


「私も」


「家に置いてきたのか?」


「いや、もらった記憶がない」


「国から発行されてるだろ?」


「母様が国王嫌ってるし、多分ハンターギルドで貰えばいいって、考えてそう」


「なら、ギルドが発行するか」


「そうしてくれ」


2人は受付で身分証の紙を貰い、ギルドマスターから説明を受けた


「この身分証は魔素を吸収する紙で、できている」


「へぇ~そんな紙あるんだ」


「ああ、その紙に魔力をこめれば、身分証が完成する」


2人は紙に魔力を込めた


「できたよ」


「そうか、ならその紙にハンターの印を付ければ、登録完了だ」


「結構簡単なんだね」


「まあな、それじゃハンターの説明をするぞ」


「よろしく」


「まずは、依頼についてだ

ギルドには住民からの依頼と国からの依頼がある、住民からは家の手伝いから、店の手伝いなどが依頼される、国からは、はぐれ魔物や盗賊の討伐が依頼される、ここまではいいか?」


「「うん、大丈夫」」


「次に魔物の討伐についてだ

世界には数多くの魔獣や魔物の縄張りがある、殆どは魔物の縄張りだがな、ハンターは縄張りに入り魔物を討伐してギルドに持ち帰る、それが討伐だ」


「「分かった」」


「次に禁止事項についてだ

世界には魔獣が存在するが、襲ってきた魔獣以外は討伐を禁止されてる、理由は知らないが魔獣を討伐した者は、かなり調べられ、正当防衛以外は重罪になる」


「理由は知ってるから大丈夫」


「知っているのか!」


「うるさ、知ってるけど言わないよ」


「何でだ!」


「世の中には知らないほうが、幸せなこともあるよ」


「だが!魔獣さえどうにかできれば、土地を広げることも!」


「ジョン、それは不可能だよ」


「っそんなことは!」


「魔獣の王に勝てる人なんて、この世に一人ぐらいしか、いないから」


「なら、その人に頼めば!」


「いや受けないよ」


「しかし!」


「ジョン、セイが言いたいのは、自分なら魔獣の王に勝てるって言いたいの」


「無理に決まってるだろ!」


「俺の魔法も知らないのに?」


「っ知らないが、こんな子供に倒せねぇよ!」


「俺の魔法は4年前と7年前に、雲を吹き飛ばした魔法だよ?」


「「「「はぁ?」」」」


「あれはお前の仕業か!」


「まあ失敗したせいで、騒ぎになったけど」


「お前なら魔獣の王を倒せるのか?」


「倒せる可能性は高いけど、俺はやらないよ」


「何故だ、それだけ強いなら人々の為に、何故魔獣の王を倒そうとしない」


「ジョン、もしかして魔獣に恨みでも?」


「それは…」


「はぁ、お前の復讐に俺を巻き込むなよ」


「だが!人々の為に!」


「いいことを教えてやる、魔獣は元人だぞ」


「えっ…」


「知られてないが、呪いにより人から魔獣に変えられてるだけだぞ」


「嘘だ…」


「嘘じゃねぇよ、俺の先祖を知っただろ」


「待てセイ、それなら魔獣の討伐が禁止なのは」


「そうだ、人殺しが禁止されてるのと同じだ」


「「「「・・・・・・・・」」」」


「ジョン、復讐したいならその魔獣だけにしとけ、他は関係ないぞ」


「・・・・・・・・」


「さてマスター、もう他に説明はあるのか?」


「いや、ない」


「なら、サラ帰ろ」


「うん」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る