第26話 王妃の怒りと涙
冥王の怒りにより城が揺れ騒ぎになったが、国王達の伝令のお陰で落ち着きを取り戻した
「冥王様騒ぎは終わりました、続きをお聞かせください」
「うむ、儂が魔獣なった時、息子と一緒に亡命していた民の半数は魔獣に、そして息子はいなくなっていた、息子を探しづつ、儂は魔獣のなった民を保護しておった、そして魔獣になった者から、息子は民を守るために魔獣の祖の気を引き囮になったと聞いた、そして魔獣の祖が通った道を調べ尽くしたが見つからなかった、故に亡くなったと思っていった」
「ではこの首飾りは、何故私の一族に」
「儂もつい最近知ったが、息子は記憶を無くし、生きておったらしい、そして子を設けたその子孫がセナお主なのだ」
「…私が冥王様の子孫…」
「そうじゃ、だからセバス達はお主を敬う、この世でハーデス王家の血を引くたった1人の女性、それがお主じゃ」
「…ハーデス王家の生き残り…」
「儂がお主に会いに来たのは、お主を守るためじゃ」
「っお待ち下さい!セナを守るとはいったい何からですか!」
冥王は国王を軽く睨みながら
「…側妃達からじゃ」
「なっ!何ぜ「何故それを知っておられるのですか!」」
「そうです!王妃様と側妃達との事は、外に情報が漏れないようにされているはずです!」
「ホッホッホ、良き護衛とメイドじゃな、セナの事を守ろうとしておるのがよく分かる」
「冥王様お教えください、何故側妃の事を知っておられるのですか?」
「聞いたからじゃ、神からの」
「神?どうゆうことです?神とはいったい」
「うむ、知らぬのも無理はない、儂ら魔獣の王は、世界を生み出した者に呼ばれる事がある」
「…世界を生み出した者?太陽と月の神殿が崇める存在ですか?」
「ん?あぁ太陽と月の神殿の神は世界を導き、見守る神じゃったか?」
「そうです、この世界の人々が信仰する神です」
「違うぞ、太陽と月の神殿は人が生み出した宗教じゃからな」
「それなら!冥王様が言う神とはいったい」
「言葉通り世界を生み出した存在じゃ、ただ世界を記録し、極稀に干渉する存在じゃ」
「そんな…では太陽と月の神殿の神は存在しないと?」
「おらんぞ、そもそも太陽と月の神殿は、人々が犯罪を犯さないように、理性と良心を持たせる為に生み出された物じゃからな、宰相なら分かるのではないか?」
「…理解はできます、つまり法律を守らせるための教育ですね」
「そうじゃ、良心を持たせ他人を傷付けさせない為に国が作った宗教じゃからな」
「ならば冥王様の言う神とは」
「言ったであろう、世界を生み出した存在じゃ」
「何故そのような方が王妃様の事を」
「儂がセナの事を神から聞けたのは、ある者を調べた時にセナと関わりがあったからじゃ」
「私と関わりある者ですか?」
「そうじゃ、名前はセイ、セナの1人息子じゃ」
「っセナに息子がい「セイのことですか!」…どういう事だセナ?」
「あなたには関係ないことです!」
「なっ、余に関係ないとはどういう事だ!まさか浮気をしたのか!」
「そんなことしてません!あなたと違って!」
「っ側妃のことなら、お主も納得したことであろう!」
「納得はしました!あなたが側妃から私を守ってくれると信じて!」
「側妃のことなら、余も今日知ったことだ!」
「それがおかしいのです!あなたは王の前に夫であり父なのです!」
「やめよ!」
「「…冥王様」」
「国王よ、最初に言ったであろう、お主には関係ないことだと」
「しかし、セナは私の妻です!」
「だがお主は、夫の務めをしなかった、故に話を聞くだけを許したのじゃ」
「ですが!」
「くどい!死にたいのか!」
「ぐっ」
「では冥王様、セイの話をお聞かせください」
「うむ、セイは今この王都に向かっておる」
「なっ!どうしてですか!」
「セイは既に魔法を使える、その事が領主に知られ遺伝を狙われた」
「サーヤがいて何故王都に!」
「サーヤとはセナ、お主がセイを預けた者か?」
「…そうです」
「酷なことを言うが、その者は既に亡くなっておる」
「なぜ!あの子は誰にも気づかれずに王都を出たはずです!」
「いや、側妃達に気付かれておった、その者はこのままではセイの命が危ないと思い教会に預けた、追手に自身が子供を抱いたままと思わせ崖から川に身投げをした」
「それではサーヤは…」
「そう子供を守るために自ら死を選んだ」
「そんなこと…」
「…王妃様、悲しまないで下さい」
「でもサーシャ…」
「私達姉妹は、王妃に命を救われました、その恩を返すために命を賭けたのです、私は妹を心から誇りに想います、ですから王妃様はサーヤに罪悪感を抱かないでください」
「サーシャ…」
セナとサーシャは手を取り合い涙を流し、今は亡きサーヤを思う
追伸
どうしよう、冥王と王妃の話は3話ぐらいで終わると思っていたのに全く終わんない
でも後2、3話で必ず終わらせます
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