第21話 王都までの道のり



森を抜け王都に行くことにした3人はウルから気おつけるべきことを聞いていた


「まず王都までの道はマーサが知っている」


「そうなの?シスター」


「えぇ一応行ったことはあるわ」


「でも私が教会に引き取られてから行ってないよね?」


「その前、司祭がなくなって教会を任されるために、王都の教会に行かなくちゃいけなかったの」


「それって…何年前なの?」


「8年前サラがうちに来る前よ」


「へぇ~初めて知った」


「そうゆうことだ、マーサが王都の位置は知っているから、その道中に気を付けておくべきことは、はぐれの魔物と山賊だ」


「はぐれの魔物?」


「でも、余りはぐれの魔物はいないって聞いたよ」


「セイの言う通り、余りいないが、極稀に現れることがある」


「じゃぁその時は、逃げればいいの?」


「いや、坊主の魔法なら、近づく前に仕留めることができる」


「でも俺、生き物に魔法当てたことないよ」


「大丈夫だ!俺の【土壁】に初めて撃った魔法なら、ほぼ一撃で倒せる」


「なら分かった」


「そして山賊だが、まだ若いお前達に人を殺せとは言えん、だから坊主が初めて使った魔法で脅せば、勝手に逃げ出す」


「本当に?」


「あぁ山賊ってのは、弱い者イジメしか出来ん、だから自分達が勝てない相手からはすぐ逃げるんだよ」


「分かった(いざとなったら、俺が殺すしかないかな、シスターとサラじゃ無理だから)」


「さてここまではいいな?」


「「「はい!」」」



そうしておもむろにウルは手紙を取り出した



「じゃぁ次は王都についてからだ、華の酒ってゆう宿がある、そこの店主は俺の元パーティメンバーがやってる店だ、この手紙を店主に渡せば、面倒を見てくれる」


「本当ですか!」


「あぁ、手紙にはハンターギルドに登録と暫く泊めてくれって書いといた」


「「ありがとうございます!」」


「やったねシスター」


「えぇこれで暫くはなんとかなりそうね」


ガサガサ

その時近くから草をかき分ける音が聞こえた



「誰だ!」


「あたしだよお義兄さん」


「何だマリか、どうしたんだ?」


「いや~探したよ、もう行っちまったかと」


「そろそろ出発させようとしてたところだ」


「そう!それは良かった!、あんた達早く連れてきな!」 「「「ヘイ姐さん」」」



マリがそう言うと、後ろから3人の男が馬と荷車を運んできた



「これは…どうしたんだマリ?」


「お義兄さんも気が利かないね、子供2人に女性1人じゃ、王都までどれだけかかるか」


「あっ!なるほどな」


「さて3人共、これから大変だと思うけど、健康に気をつけて頑張りなさい」


「「「はい!マリさん、ありがとう」」」


「いいのよ、今まで町民の手前余り助けれなかったんだから」


「いえ、これだけで十分です」


「そうかい、なら早いとこ行っちまいな!旦那だってそんな長く領主を止めておけないだろ」


「「「はい!」」」



そうしてマーサが御者をしセイとサラは荷車に乗り町を出ていった



「行っちまいな…」


「そんなに心配なら、伯父さんが付いていけば、よかったじゃない」


「そうしてやりてぇが、俺が領主を抑えなきゃ、あのアホ領主のことだ、何やらかすかわかったもんじゃない」


「それは言えてるね」


「なら私がついていこうか?」


「お前がぁ?無理無理!」


「どうして!伯父さんも、あと少しでハンターになれるって言ったじゃん!」


「確かに、あと少しぐらい強くなれば、ハンターとして、生き残れるぐらいにはなれるが、あの3人にはついていけねぇよ」


「そんなことないよ!」


「いや絶対に無理だな」


「マリナ、伯父さんがそこまで言うなら、そうなんだよ」


「でも兄さん!」


「そこまでにしときな」


「母さん…」


「でもお義兄さん、あの3人はそんなにすごいのかい?」


「あぁ、嬢ちゃんは時代が時代なら、最強になれたし、マーサの魔法を今日初めて知ったが、あれもかなりやばいな」


「えっ…マーサちゃん魔法使えたのかい?」


「あぁ隠してたみたいだ、まぁ何の魔法かは内緒にって約束だから言わないが、あれはやべぇな」


「そうかい…なら安心だね」


「あれ?伯父さんセイ君は?」


「……あれはもう別格だな」


「そんなにかい?」


「あぁ、坊主がいるから嬢ちゃんは、最強になれない」


「なら天才が3人いればなんとかなるね」


「いや、確かに嬢ちゃんは天才だ、だがマーサは違う、あれは異才だな、坊主は鬼才だな」


「へぇなら私は!」


「お前は普通さ」


「何よそれ!これでも同世代には負けたことないのよ」


「だが!年上には負けるだろ?」


「それは…そうだけど」


「あの2人はすでに大人に勝てる力がある、だから天才だ」


「もういいわよ!これからもっと強くなるから!」


そう言ってマリナは町に走っていった


「ちょとマリナ!待ってよ!」


「それでお義兄さん、何か気になることでもあるんでしょ」


「まぁな、坊主の顔がな」


「セイちゃんの顔?確かに何処か気品があるけど」


「そうじゃない、あいつこの国の王妃に髪色から全て、似てるんだよ」


「!それって…」


「あぁ、坊主は王妃と血の繋がりがある、だから王都に行かせるんだよ、王妃の耳に坊主の話が入れば、必ず会いに行くと踏んでな」


「でも、王妃の血縁者がもういないって、聞いてるけど」


「そうだが、王妃が持っている首飾りは、王妃の血筋にしか反応しない、古代のマジックアイテムだろ?」


「そうね、それに反応すれば、王妃の血縁者って分かるものね」


「あぁ(坊主はこれから大変だろうけどな)」






追伸

これにて魔法入門編終わりです!

読んでいただいてありがとうございます

次は神視点からの話の後に

剣の道編をやります

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