第19話 魔法師とは



ウルの所で属性の練習をした日から、セイは毎日のようにウルの家に行き朝から夕方まで魔法を使い続けた



ドンドンドン「はーい?ウルさんどうしたの?」



珍しくウルが教会の方に来ていた



「まずいことになった!」


「えっ…どうしたんですか?」


「マーサとサラはどこにいる!」


「裏の庭で魔法の練習してますけど…」


「案内しろ!」


「分かりました。(どうしたんだろ?何か焦ってるみたいだ)」



そうしてセイはウルを2人の所まで案内した



「マーサ!」


「どうしたんですか?そんな急いで」 

 

「今すぐ町を出る準備をしろ!」


「急にどうしたんですか?」


「領主にセイとサラの事がバレた!」


「それは!セイ、サラ急いで準備して!」


「「えっ…どうして?」」


「いいから早く!」


「「分かった…」」



そうして3人共は急ぎ準備をし、庭で待っていたウルと合流した



「ウルさん準備終わりました」


「そうかなら急ぐぞ」


「ちょっと待ってよ、意味が分かんないだけど」


「理由は説明してやる、とりあえず町外れまで行くぞ」



そうして4人は、町人に会わないよう人目を避け町外れまで行った



「よしここまでこればいいな」


「「「はぁはぁはぁ」」」


「ちょっと早すぎたよウルさん」


「仕方ないだろ、急いでたんだから」


「それで理由を教えてくれるの?」


「それは僕たちから説明しよう」


「「あっ!レオンさんとマリナさん」」


「久しぶりね3人共」


「それで…理由は何?」


「それは君達が魔法師だからだよ」


「意味はわかんない」「・・・・」


「おやセイは分かったのかな?」


「多分だけど、魔法師は権力者に狙われやすいんじゃない?」


「そうだよ」


「でもセイ、何で狙われるの?」


「おっとそこからは俺が答えよう」


「でも伯父さんいい思い出じゃないでしょ?」


「ふん!姪と甥に心配されるほどじゃない」



それからウルは魔法師について話し始めた



「前に全ての貴族は魔法師だっていったよな」


「うん、聞いた」


「魔法師の才能は遺伝することも言ったな」


「たしか3人に1人の確率で遺伝するんだよね」


「そうだ、その遺伝が問題なんだ」


「?どこが問題なの?」


「遺伝されるのは魔力の動かし方だ、つまりより優れた魔法師の遺伝を取り込む事が、あいつらの目的なんだよ」


「それって…無理矢理結婚させるってことじゃない」


「そうだ、だから逃げるんだよ」


「でもウルさんは狙われないの?」


「俺も昔は狙われた」


「じゃぁ今は?」


「俺はハンターをしている時、病気になったお陰で子供ができない体になった、だから狙われなくなった」


「それって…」


「まぁ最初はかなりショックだったが、今では良かったと思える」


「「伯父さん…」」


「さて他に聞きたいことはあるか?」


「私はないかな」「私も」


「マーサと嬢ちゃんはないのか、坊主は?」


「いや…気になったんだけど魔法師と魔法師の子供は魔力の動かし方どうなるの?」


「魔法師同士の子供は2人に1人が魔法師になる、だけど魔力の動かし方は両親のどちらか1人のイメージになる、だが極稀に2つが合わさったようなイメージ2なるやつもいる」


「例えば?」


「そうだな、例えば俺の固めると坊主は斬るなら、多分固めて斬るってイメージになる、でもそれじゃ坊主の斬るの劣化版になるだろ?」


「そうだね【火斬】と【風斬】は使えなくなるね」


「そうだ、だから余り魔法師同士で結婚はしない」


「じゃぁどうして領主は俺達を狙うの?」


「簡単さ、領主の魔法はかなり弱いからだ、だから強い魔法師の遺伝を求める、自分たちの魔法より優れた魔法を子供に継承させるために」


「なら他の貴族から嫁を貰えばいいじゃない」


「それが無理なんだよ」


「どうして?」 


「強い魔法をもつ貴族は、他所に魔法師を嫁がせないからだ、だから平民で強い魔法を持つものを狙う」


「「・・・・・・・・・」」


「だからお前達は街を出るんだ」


「「…分かりました」」








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